死ぬには手頃な日
ジャンル
死ぬには手頃な日 / 感想・レビュー
冬佳彰
この本は、ずっと本棚にあった。不吉な題名だが、マキャモンの本でも目にした言い回しだ。所詮、皆、死ぬ。してみると浅いニヒリズムと言うよりは、あっけらかんとした運命の受け入れなのかもしれない。今は、晴天を見上げながら死ぬ、といったシーンをイメージする。短編集だが、どれも緊張感のある物語で、選び抜かれた言葉で構成されていた記憶がある。申し訳ないが、俺はこの時代の矢作俊彦のほうが好きだな。透明感があって、痛みがあって、上品で、先のない感じの。
感想・レビューをもっと見る