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文豪たちの怪談ライブ (ちくま文庫)

文豪たちの怪談ライブ (ちくま文庫)

文豪たちの怪談ライブ (ちくま文庫)

作家
東雅夫
出版社
筑摩書房
発売日
2019-08-09
ISBN
9784480436122
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文豪たちの怪談ライブ (ちくま文庫) / 感想・レビュー

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sin

病床に在る鏡花の独白を触りに語られる各章に纏められた往年の百物語会に、曾て参加した熱く瑞々しい読者会の有り様を重ね合わせて読んだ。それにしても百年も前の彼等の怪談会に寄せる想いの新鮮味に、死して尚残る真実味は如何なる力の成せる技だろうと思わざるを得ない。とは云っても当時、神経で片付けられた幽霊の真偽は別である。それは在る意味共通の趣味で集うオフ会に似て場の共感で成り立っているように感じられる。

2019/08/29

keroppi

明治末から昭和初期、文豪たちが怪談会に没頭していた。泉鏡花を筆頭に、柳田國男や芥川龍之介らが、怪談を語り合う。まるで自分が見たかのような怪談話。この当時、怪異はずっと身近にあったのだろう。ちくま文庫には文豪怪談傑作選のシリーズもあるようだ。そっちも読んでみたいなぁ。

2020/08/01

HANA

明治末から昭和初期、大正を中心に花開いた怪談会。本書はその熱気を鏡花を中心にまとめた一冊。最近は編者のものも含めてこの時代の怪談会の書籍が復刊されているんだけど、本書はある程度通史としての一貫性を保ちながらも、怪談会で語られた話もアンソロジー的に収録する事で読み物としての面白さと同時に当時の空気を表しているのが見事。幽冥界を中心にした鏡花や柳田国男、都会の怪異を語る芥川龍之介、そして数多の文人墨客たちの話を読みこういう集まりに思いを馳せていると、怪談というものが風雅の極みであるというのが納得できるなあ。

2019/12/22

みやび

明治後期から昭和初頭にかけてブームが巻き起こったと言う「百物語怪談会」。そこに集まるのは一流の文化人達だった…。某新聞で連載された紙面において「怪談の親玉」と称された泉鏡花を筆頭に、柳田國男や芥川龍之介、菊池寛・徳田秋声・鏑木清方などなど、錚々たるメンバーが参加しているのが面白い。それもただ集まるだけではなく、出される食事から演出まで凝りに凝っている念の入れよう。収録されている怪談実話にゾクゾクしながらも、文豪と呼ばれる作家の交友関係や人となりを垣間見る事が出来てとても楽しい怪談語りだった。

2019/09/22

あたびー

#日本怪奇幻想読者クラブ 尾崎紅葉門下で師に野暮天呼ばわりされながらも怪異への憧憬止まなかった鏡花が、次第に同好の士を得て洒脱な怪談会を催すに至る。柳田国男との交わり。都市化していく帝都の中に怪異を置く、モダンホラーの魁とも言える芥川龍之介。その若き芥川を突然失った泉鏡花の哀しみ。東氏の手掛けられた本をあれこれ引っぱり出して参照しながらの読書となった。日本人ならハロウィーンなどと言っていないで、蓮葉に白強飯と頭抜け大一番小判型で冷やしたビールで怪談会と行きたいものだ。

2019/08/27

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