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図書館のお夜食 (一般書)

図書館のお夜食 (一般書)

図書館のお夜食 (一般書)

作家
原田ひ香
出版社
ポプラ社
発売日
2023-06-21
ISBN
9784591178249
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「図書館のお夜食 (一般書)」のおすすめレビュー

『三千円の使いかた』原田ひ香の新作は、作家の蔵書を集めた「夜の図書館」が舞台。美味しいまかないとコーヒー、人間の表裏を味わえる一冊

『図書館のお夜食』(原田ひ香/ポプラ社)

 図書館が好きだ。荘厳な雰囲気、若干の重苦しさを含んだ静けさ、古い紙とインクの匂い。学生の頃から、時間が許す限り図書館に入り浸っていた。しかし、大抵の図書館は17時に閉館する。夜も開いている図書館があれば。これまでの人生において、何度そう思ったかわからない。だから、原田ひ香氏の新著『図書館のお夜食』(ポプラ社)のタイトルを目にした時、思わず引き寄せられた。

 主人公の樋口乙葉は、駅ビル内の書店でアルバイトをしていた。だが、身に覚えのないトラブルに巻き込まれ、退職を余儀なくされる。そんな乙葉のもとに、ある日SNSを通じてメッセージが届いた。そこに書かれていたのは、「夜の図書館で働きませんか」という仕事の誘いだった。

「夜の図書館」は、19時から0時まで開館している。一般の図書館とは品揃えも異なり、すでに亡くなった作家の蔵書だけを取り揃えている。閲覧は自由だが、貸し出しはしていない。実質は、“本の博物館”に近い様相である。

 自分が好きな作家が、生前どんな本を読んでいたのか、興味を持つ人は多いだろう。蔵書にマーカー…

2023/6/21

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原田ひ香が「亡くなった作家の蔵書が見れたらいいな」という想いで描いた『図書館のお夜食』を語るインタビュー

 ドラマ化された『三千円の使いかた』(中央公論新社)や『一橋桐子(76)の犯罪日記』(徳間書店)の著者・原田ひ香さんの最新作『図書館のお夜食』(ポプラ社)。舞台となるのは東京郊外にある「夜の図書館」で、亡くなった作家の蔵書を集め有料で公開しているその場所は、人生に迷い疲れてしまった本好きの人々を癒す場でもあった。元書店員の20代女性を中心に描かれる、本と食事の物語。いったいどのような想いをこめたのか、原田さんにお話をうかがった。

(取材・文=立花もも)

――入場料千円はちょっと高いですが、夜の7時から夜中の12時まで、軽食や地ビールなどを楽しめるカフェもあって、何より亡くなった作家たちの蔵書が楽しめる。こんな図書館、本当にあったらいいのに……!と思いました。

原田ひ香さん(以下、原田):大阪の司馬遼太郎記念館や実践女子大学の向田邦子文庫など、一部の作家さんの蔵書は今も残されていますけど、管理には手間とお金がかかるから、よほどの大作家でない限りは難しい。でも、今ご存命の作家さんだって「あの人の本棚を見てみたい!」という方はたくさんいますし、残しておく…

2023/8/5

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図書館のお夜食 (一般書) / 感想・レビュー

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starbro

原田 ひ香は、新作中心に読んでいる作家です。本書の設定は好さそうだったのですが、続編があるからかも知れないと思いつつ、著者としては内容もエンディングも中途半端でした。 https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8008428.html

2023/07/25

ノンケ女医長

こんな図書館があったら、本当に素晴らしいと思う。さすが原田ひ香、着想に恐れ入った。書き手が自身の体調を案じるようになったとき、書籍がこの先どう扱われていくのか、本当はとても不安だと思う。読者だって、天国へ旅立った作家の本を弔う気持ちで読みたくなる。両者の想いを叶えてくれる場所を小説で上手く表現されている。採用面接に姿を見せず、加工した声でやりとりするオーナー。その理由は作品後半に明らかになるが、熾烈な人生経験をしたからこそ、夜の図書館を誕生させられた。今後全作デジタル化になっても、こういう図書館は必要。

2023/07/30

のぶ

夜7時から深夜12時まで開館する夜の有料図書館が舞台。本当にこんな図書館があるのだろうか?主人公の樋口乙葉はSNSで知ったここで働くことになる。亡くなった作家の蔵書が集められた、いわば本の博物館のような図書館。そしてまかないには昔の作家にちなんだ美味しい料理が食べられる。しかも古いけど家賃のいらない寮までついて。そこで働く人々、利用者たちの繰り広げる出来事、ちょっとした謎が描かれる一冊。とても不思議な雰囲気で訪れる人も、何か訳ありで楽しい。今までの原田さんの作品にはなかった物語で興味深く味わった。

2023/07/03

旅するランナー

東京の郊外にある、私設「夜の図書館」。開館時間は19時〜24時。入館料·年間会員費あり。亡くなった作家の蔵書が集められている。読者が、原田ひ香さんのグルメ·ランチシリーズの口になってると、一味違うと感じるでしょう。蔵書印へのこだわりとか、来館者や図書館員たちの秘密とか、とってもマニアック。赤毛のアンや向田邦子作品ファンであれば、この世界観に入り込めるんだろうな。

2023/07/29

hirokun

星3 夜間だけ開館する図書館。蔵書は、亡くなった作家の蔵書のみ。面白い設定の図書館で、文章も読みやすいのだが、最後の終わり方が中途半端というより、まだ描き足りなくて、上下巻の小説の上巻のみを読み終わった感じ。原田さんの作品は、そんなに読んでいるわけではないが、こんな感じの作品が多いのだろうか?

2023/07/23

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