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冤罪: 士道小説集 (藤沢周平珠玉選 5)

冤罪: 士道小説集 (藤沢周平珠玉選 5)

冤罪: 士道小説集 (藤沢周平珠玉選 5)

作家
藤沢周平
出版社
青樹社
発売日
1994-02-01
ISBN
9784791308101
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冤罪: 士道小説集 (藤沢周平珠玉選 5) / 感想・レビュー

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だまし売りNo

武家物の時代小説の短編集。武士が主人公であるが、体制側の人間ばかりではない。表題作は冤罪を明らかにする物語。しかし、冤罪を世の中に明らかにするまでにはいかない。現実的な日本型組織や日本社会の限界を描いている。「唆す」は百姓一揆や打ちこわしをアジテートする武士の物語である。時代小説で反体制の人物を描くことは興味深い。

2021/08/21

山内正

灯はお許し下さいませお留守に過ちが御座いました 私身籠っています抑揚のない房乃の声がする 心は決まっております存分に遊ばして下さい 相手は申し上げられません 小姓組八十石 江戸詰の剣持の家に 妻の梨枝が持て成す茶を出して ふさ乃もこうしてたかも 豊之助が城内で声を掛ける 人を討つ討ち手は俺とお前だ この男も機会があったのかと 使いが来て相手は北川だと 踏み込んで豊之助が斬り込むが返され二度討つのを見送った名を呼ばれ 腹を貫いた 豊之助ではない 目が覚めた許しませぬと房乃の声が 自害する積りでしたと泣いた

2021/09/28

山内正

変化の乏しい日常 兎の毛馬の毛 朝から七つまで仕事の筆作りを 子供等の手習いに行く武太夫 再士官の道はもはや無い 征伐騒動で米の高値に 将軍は今大阪で備えている 諸藩は二の足を踏んでいる 一揆の首謀者の中に夫の名があり 夫は何か他の事に気が足りている 仕事の注文先の番頭が訪れ店の用心棒にと頼まれる たかりの浪人が来るから相手をと 二人の浪人が勤王と名乗り金を切り出すが五両で話を付け追い返す 内儀に話す奥に米俵が積上げてた 買い置きですよと言う 品川で打ち壊しがと話を聞く おの百姓達と同じだ今に大きな騒ぎに

2021/09/20

山内正

部屋に馬の毛兎の毛が散らばる 筆造りに忙しい 何の変りのない 暮し夕刻木戸を出て歩く毎気が安ぐ 七年前藩から追放され江戸に 士官の口がと滝乃も次第な無口に 長州征伐が又起こるかと噂になる 遠州屋から押込み浪人に来てくれと 屋敷の庭に米俵を見て何かが起こる気がする 数日して品川で暴動があったと あの一揆の時百姓にも仲間にも事態を知らせず大騒動を待った 今町人達が火を持って騒動の中に加わり暴動が起こると

2020/10/25

山内正

さまざまな縁が生きかたを違える

2017/12/11

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