“オマエが明日するウンチはこれ”――さいごのいきのこりカモね『コロコロコミック』編集長のうんちん日記第10回

マンガ

公開日:2018/5/17

いかに莫迦げたことをいかに大真面目やるか?

いつだって「コロコロコミック」にとってはそれが問題なのです!

5月15日発売の最新6月号は、この命題に沿った新機軸の付録がついています。

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「じーさんのウンチおみくじ」

細巻きに折りたたまれたおみくじを開封すると、“オマエが明日するウンチはこれ”という大変崇高なお題に沿って、20パターンのウンチがランダムに封入されています。

イラストは、大人気「でんぢゃらすじーさん」の作者曽山先生が担当。

それぞれのウンチには、健康ウン、勉強ウンなどのカテゴリー別運勢や、相性のいいウンチ、ラッキーアイテムなどのほぼ意味不明な記述も含まれていて読み応えタップリ。

20パターン書き分けるライターさんのクリエイティヴには脱糞いや脱帽です。

森羅万象のウン知力を結集して書き上がったネームが、ちりばめられる。

「コロコロコミック」には毎月様々な付録がつきますが、最終的なラインナップを決めるときに必ず心がけることがあります。

それは、“度を超えてバカバカしい付録はあるか”ということです。

編集者にとっては自分の付録企画が通るか通らないかは、まさに真剣勝負。

担当作品のメーカーさんと頭をひねった企画は、確かにどれもよく練り込まれていて豪華で非の打ち所がありません。

でも、その付録一つ一つが寄せ集まると、だいたいは隙のない、もっと言うとちょっと真面目すぎるラインナップになります。

なので、最後に必ず、“くだらなくて・安っぽくて・あってもなくてもどうでもいいような”付録を付け足して、立案のフィニッシュとなります。

そう、この最後のピースがしっかりはまらないと、雑誌の有り様としてしっくりこないのです。

軽く見られがちなこの手の付録ですが、ときには本命だと思われていた豪華付録をアンケートで上回っちゃうこともあります。

素晴らしいコストパフォーマンス!

子どもたちの支持の源は、豪華さだけに有るわけではなく、アイディアに有るのです。

“くだらなくて・安っぽくて・あってもなくてもどうでもいい”なんてひどい物言いですが、これはある意味最高の褒め言葉なのだと編集部一同本気で思ってます。

まんが「でんぢゃらすじーさん」も今月はおみくじに連動したウンチキャラがバトルするという、しょーもない内容。最高です!

今回のおみくじ付録、実は「コロコロコミック」とって大きな意味を持つ企画なんです。

このおみくじの印刷は、初めてお付き合いする九州の印刷会社さんに担当して頂きました。

印刷からおみくじの折りたたみ、最後の糊付けまで、一貫して機械で生産できる施設と技術は、日本でこの印刷会社さんだけだと聞いています。

普段は、某有名天満宮のおみくじを印刷しているとのこと。

だから本物そっくりに、というかまさに本物なんです、このおみくじは。

今まで出来なかったことが出来た!

新しい仲間が出来た!

雑誌を作る上で、この上ない喜びの一つです。

“雑誌に元気がない”

ことある場所で、そんな話題が出る今日この頃。

でも、僕ら「コロコロコミック」は、願わくば最後の最後まで生き残る雑誌でいたい、そしてさらに願わくば、最後まで紙の雑誌にこだわりたいと思っています。

だから今この時代に新しく加わってくれた、信頼のおける仲間を、末永く大事にしなければいけません。

このおみくじ付録、たぶん人気が出ると思います。

さっき述べたように、もしかしたら本命付録の人気を上回るかもしれません。

2回3回10回20回と続く人気企画になってもらいたいなあと思います。

でも、続いてゆくには、その都度都度の工夫が必要です。

結局、コツコツ愚直に繰り返していくしかないんです。

自分も1枚引いてみました。健康ウンの運勢通りになったら家族全員から軽蔑されるだろう。

それにしても、なんで編集部はここまでこの手の付録にこだわるのでしょうか?

人気を取りたい、お金がない・・・いろいろありますが、一番はやっぱり単純に読者にほめてもらいたいということでしょうか。

「バカだなあ、コロコロって・・・」

雑誌界“最後の生き残り”となって、ガキどものその一言が聞きたい、その一心で今日も雑誌を作っています!

最近コーヒーをよく飲みます。この10年間くらい、飲むと気分が悪くなってしまって苦手だったのが、すっかり解消されました。どこかいいコーヒー屋さんがあったら教えてください。

最後に今月の暗号です。

超極厚128ページ ギャグコロ11」と叫んでみてください。

「イレブンなのに漫画が16本入ってるよ。あとサッカーがテーマの漫画別冊なのに、なんで野球の漫画が入っているの」と厳しいツッコミを入れてくれる少年がいるかもしれません。

衣替えを待てずに、すっかり夏の服装で汗を垂らしながら一心不乱にコロコロを読んでいるような子をみかけたら、どうか暖かい目で見守ってください。

それではまた来月、うんこちんちん!

出張のついでに太陽の塔に対面。この威容。力強さ。元気が出ますね。最近ヘビーローテーションのカネコアヤノ「さいごのいきのこり」(今月のタイトルに拝借させて頂きました)とは、まさにこの事!

『コロコロコミック』最新号発売中!

『コロコロコミック』6月号

付録「ギャグコロコミック」

和田誠(わだまこと)編集長
1971年生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒業後の1994年に株式会社小学館入社。『幼稚園』『おひさま』『めばえ』『小学一年生』編集部を経て、2005年より『コロコロコミック』編集部所属。2015年より同誌編集長。イベントなどでは、編集長キャラクター「まこ殿様」として登場。

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