注目作家・寺地はるなの人気作が文庫化!思わず心がホッとする『夜が暗いとはかぎらない』読者の反響は?
感動の短編連作集『夜が暗いとはかぎらない』の文庫版が2021年6月4日(金)に発売。持ち運びやすいサイズとなって再登場した同作に、読者からは「気になっていた本。文庫で出ていたので購入!」「一新されたデザインが良い! 可愛くなってる」と絶賛の声が上…
感動の短編連作集『夜が暗いとはかぎらない』の文庫版が2021年6月4日(金)に発売。持ち運びやすいサイズとなって再登場した同作に、読者からは「気になっていた本。文庫で出ていたので購入!」「一新されたデザインが良い! 可愛くなってる」と絶賛の声が上…
寺地はるなさんの小説にはいつも、名もなき人たちの、かわりのきかない、たった一つの人生が描かれている。映画やドラマになるようなドラマティックさはなかったとしても、その人の人生においては何より切実な感情が綴られていて、その積み重ねによって、唯…
『どうしてわたしはあの子じゃないの』(寺地はるな/双葉社)の、タイトルを見ただけでドキッとする。誰だって一度は「あの子みたいにきれいだったら」「もっとお金持ちの家に生まれていたら」「才能があったら」と夢見たことがあるだろう。あたかもみんなが…
すぐれた誰かがそばにいると、自信が揺らぐ。他者との比較によって自分の価値は変動する。この比較軸を自分が決めてしまっていることに、なかなか当事者は気付けない。もしも誰かの視点で自分のことを観察したら、自分でも気付けない価値を見つけられるかも…
先日、ひさしぶりに父に会って驚いた。最近料理に凝っているそうで、スマートフォンでレシピを検索し、手際よく美味しい食事を作る。「そんな人だったっけ?」と思うのは、自分の中に「亭主関白な昭和の父親」というイメージがあったからだ。が、振り返れば…
『夜が暗いとはかぎらない』 ●あらすじ● 舞台は大阪市近郊の暁町にある、「あかつきマーケット」。閉店が決まっているにもかかわらず、マスコットキャラクターのあかつきんが突然失踪してしまう。かと思いきや、町のあちこちに出没し、人助けをしているらし…
世界は自分だけのものじゃない、と初めて気づいたのはいつのことだっただろう。今でもときどき、考える。たとえば電車に乗ったとき、その場にいる全員にそれぞれの人生があるのだということ。見ず知らずの他人だけじゃない。よく知っていると思い込んでいる…
たしか、成人祝いの席でのことだ。はじめてのワインの味に、大人たちはなぜこんなものを好きこのんで飲むのだろうと、顔をしかめたのを覚えている。それから幾年、わたしは「こんなもの」を大喜びで飲むようになった。人生、なにがどう変わってしまうか、自…