文豪と怪奇
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「文豪と怪奇」のおすすめレビュー
芥川龍之介、太宰治ものめり込んだ「怪奇」の世界。文豪たちの“怪奇マニア”ぶりとは?
『文豪と怪奇』(東雅夫/KADOKAWA)
幽霊や心霊現象など、怪奇の世界は時代を超えて人びとの興味をそそる。そして、数々の作品を世に放ってきた文豪たちもまた、怪奇の世界にのめり込んでいたとは驚く。
アンソロジスト/文芸評論家の著者による書籍『文豪と怪奇』(東雅夫/KADOKAWA)は、文豪たちと怪奇のつながりをひもとく一冊だ。泉鏡花、芥川龍之介、夏目漱石、小泉八雲、小川未明、岡本綺堂、佐藤春夫、林芙美子、太宰治、澁澤龍彦――。「自らを取り巻く世界の不思議さと真っ向から向き合い、かれらが垣間見たこの世の秘密を、真相を、文筆という行為を通じて作品化」してきた文豪たちも、私たちと同じように、怪奇の世界に引き込まれていた。
柳田國男、泉鏡花と「おばけずきの盟友」だった芥川龍之介
人間の利己主義を描く『羅生門』や『蜘蛛の糸』などを手がけた芥川も、大の「おばけずき」だった。活動中期の『妖婆』や『奇怪な再会』『妙な話』『黒衣聖母』など、彼は「本格怪奇小説を志向した」時期もあり、数々の作品では「一貫して妖しい超自然の影が揺曳(ようえい、「ゆらゆらとなびく」の意味…
2022/12/21
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文豪と怪奇 / 感想・レビュー
モリータ
◆『幽と怪』2019-2022年連載「文豪たちの幽と怪』を基に2022年KADOKAWA刊。◆「古今の文豪たちと、かれらが遭遇した、超自然的な怪奇の世界との関わりを、ひたひたと、惻惻と、追求した特異な書物である(4頁)」。「おばけずき」の各作家(下記)につき、評論・作品抜粋・評伝の三部構成で紹介。◆鏡花、芥川、漱石、小泉八雲、小川未明、岡本綺堂、佐藤春夫、林芙美子、太宰、澁澤龍彦。◆芥川「ピアノ」を扱った授業のついでに読む。
2023/10/12
じじちょん
泉鏡花、小泉八雲、芥川龍之介、太宰治など明治~大正時代の文豪の怪奇物と当時の時代背景など紹介している本。岡本綺堂と佐藤春夫がもともと好きなので、掲載されていて嬉しかった。あの時代の文学ってとっつきにくいけど、読むとっかかりになりそう。
2023/02/25
takao
ふむ
2023/12/27
森野アリス
帯に「あの文豪も『おばけ』ずき!」なる一文。 泉鏡花や小泉八雲は全く以外ではないが(というか鏡花から「おばけ」を取ったら残るのは「御婦人」くらいだろう)太宰治、夏目漱石等はほう!という印象。 未読の作家だがイメージとして全く「おばけ」とは関係ないと思っていた林芙美子の名が上がったことには驚いた。 小川未明は知らずに子供の頃触れていた作家だった。 それにしても東雅夫氏のコメントが一々可愛い。
2023/06/06
へいへい
面白いテーマ設定で興味持ったのだけど、文豪それぞれのつまみ食い感が否めなかった。興味持ったら、あとはそれぞれで読み進めてね、と言うことなんだろうけど。
2023/02/13
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