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半月の夜

半月の夜

半月の夜

作家
野沢直子
出版社
KADOKAWA
発売日
2022-10-11
ISBN
9784041121610
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もう一度走り出したいと願う人の背中を押す物語を書きたかった『半月の夜』野沢直子インタビュー

 ※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』12月号からの転載になります。

 お笑い芸人として人気絶頂にあった1991年に突如渡米。拠点をアメリカに移しながら、時折帰国して芸能活動を行ってきた野沢直子さんが、小説『半月の夜』を発表した。現在59歳、かつて“破天荒タレント”として一世を風靡した野沢さんは、“老い”を小説のメインテーマに選んだ。

(取材・文=澤井 一 写真=島津美紗)

「40歳ぐらいから体力は落ちてきましたけど、周りより元気だったし、老いてきたとは思ってなかったんです。でも50代の中頃から物忘れはひどいし、若い子の区別はつかないし、見た目の劣化もひどくて(笑)。スマホをいじっているときに、画面に反射した自分の顔を見て、ほうれい線の深さにびっくりしたことも。家で子どもの話す内容が急に分からなくなったり、流行が理解できなかったりで、感性が鈍ってきたのを実感したのも衝撃でした。若い頃は“老い”なんて完全に他人事だったのに。少し前に父が亡くなったのも“老い”と向き合うきっかけのひとつでした。父がずっと病気知らずだったので、“老い”を他人事のように感じていた…

2022/11/9

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半月の夜 / 感想・レビュー

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しげ

週はじめから不意打ちを食らった様な読書で一気読みでした…80年代、90年代のタレントさんとして破天荒でアナーキーなキャラクターは勿論知っているので、油断していたと言うか甘く見ていたと言うか驚かされたと言うか…とにかく「感動」しました。日本の芸能界を離れ渡米した理由を「自分の才能の限界」と語られていたTV放送を見た記憶が有りますが、分野と方向性が少し違っていただけですね。良い作品を読ませて頂き感謝です。

2023/01/30

えみ

もう何もなかったように振舞えないくらいそれは輝いていたのだろう。感情を失うには十分な仕打ちと、自暴自棄に陥るにはこれ以上ない過去。笑顔で生きるにはツラすぎる今。一人で変えられなかったその絶望に塗りつぶされた日々も、誰かとなら変えられる。未来を思いのまま、とびっきり素敵な色に染め変えていけばいい。それはなんて希望溢れる共同作業なんだろう!運命の歯車はちゃんとその時が来れば動くように出来ている。誰にでも平等に!!苦しみ悩みぬいた先で、本当の幸せを掴んでほしい。そう心の底から願いたくなる一冊。明日は変えられる。

2023/03/28

よつば🍀

野沢直子さんが描く人生再出発物語。主人公の立花カオルはスーパーのレジで働く55歳の女性。六畳一間の自宅とパート先を往復するだけの日々を送る。同僚からは陰で「他にやることのない、みるからに孤独なデブのおばちゃん」と馬鹿にされ、嫌がらせも日常茶飯事。死ねないから生きている、彼女の無気力と諦観はどこから来ているのか。その背景が明らかになるとやるせない思いに駆られた。ずっと灰色の世界で生きて来た彼女に訪れた偶然の再会はきっとご褒美だったんだろう。全ての支配から脱出した彼女の未来がどうか明るい色で染まりますように。

2022/12/07

この物語がすくいとってくれるような、生きていくこと、流されていくことを肯定してほしい、という願いはいつも、いつまでも自分のなかにある。 「灰色のハイエナ」との決別に向かうシーン、著者が心で書いているのだなと思わされた。野沢直子さん。『夢で逢えたら』のユニットコントも、バンドのコーナーも大好きで、当時たくさん笑わせてもらった。信頼できる作家さんがまたひとり増えて、嬉しい。読後に立ち寄ったスーパー。浮かない顔で買い物している人を全員誘って飲みに行きたくなった。

2023/02/28

ふうちゅけ

50代、いつの間にか幸せが零れ落ちてしまった。そんな人たちのストーリーはほんの少しだけまだどうにかできるかもしれない余地があって、その分どうにかならないか、なってほしいと思いながら読んでいた。心の持ちようで周囲の色はモノクロにもカラフルにもなる。そんなことを改めて実感した。あのテレビでの野沢直子さんからはイメージつかないストーリーに仕上がっている。(2022年10月初版)

2023/08/23

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