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新・雨月下 戊辰戦役朧夜話

新・雨月下 戊辰戦役朧夜話

新・雨月下 戊辰戦役朧夜話

作家
船戸与一
出版社
徳間書店
発売日
2010-02-18
ISBN
9784198629052
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新・雨月下 戊辰戦役朧夜話 / 感想・レビュー

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KAZOO

資料をよく読みこんでいて私は非常にこの物語の書き方には見習うことが多いと感じました。従来ですとこの戊辰戦争は西軍あるいは会津側の偏った感じで書かれているものが多いのですが、三者の視点からかかれ、そこがこの物語の魅力を作っているのでしょう。奥羽越列藩同盟の失敗の原因もよく分析されています。先を読めなかった各藩の事情がよくわかりました。

2016/08/02

レアル

なるほど、この物語を読み終えて初めて架空の人物3人を挙げて登場人物にした理由が分かった。新政府軍、会津藩の偏る事がなく物語が進み終結していくために、あえて3者の視点を描いている。この巻では奥羽越列藩同盟の失敗、そして会津がどのようにして敗れていったのかを読む事が出来、知識の補強も出来たかな。。戊辰戦争と言っても、この本は慶応4年3月~慶応4年9月の6ヶ月間が描かれている。戊辰戦争の結末、その悲劇なる物語を十二分に堪能した。

2016/12/16

姉勤

鳥羽伏見の戦から会津降伏と言う、たった半年の物語が、数年のように感じる濃密な変化というか、蛹の中で激変した日本という生物の変態のように感じる。その蛹の中の細胞の一つを人の一生とするなら、ネクロシス、アポトーシスのように情け無用に死を強制、もしくは選び、他者の養分や新たな肉体の糧、生贄になった。ヒロイズムや出世物語、散華と美化される敗北の物語の宝庫としての幕末、維新の時代。そして羽化した「明治」という蝶の翅の鱗粉は、滅んだ魂の一つ一つの光とも思えて。

2023/03/12

藤枝梅安

長かった。史実では次に何が起こるかは分かっているのだが、上巻から引き続き、春介(とモモ)・右近・布袋の寅蔵の視点から語られる歴史は、血が流れ、痛みを伴うものとして読者に突きつけられる。雨の中に3人が見た「月」は3人のそれぞれの運命の予兆であると共に、幕末の多くの人間たちが思い描いた「雨雲の向こうに見えるはずの光」を象徴している。最終章では、「地獄の中で光を夢見た」人間たちの中で、歴史に名を残した者達のその後が淡々と語らる。そこには出てこない「新しい社会」の到来までに失われた人命の多さに愕然とさせられる。

2010/12/27

しーふぉ

奥羽越列藩同盟も長岡藩も敗れ、米沢藩など離脱の動きを見せる、会津藩も各地で敗れる。佐川官兵衛、立見鑑三郎、土方歳三、斎藤一などなど魅力的な奥羽越列藩同盟方の中でも山本帯刀を好きになった。長岡藩の門閥家老の家柄なのに自ら陣頭に立ち、河井継之助亡き後も長岡兵を率いて戦う姿が格好いい。

2016/07/14

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