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おひとりさま日和 (双葉文庫 に 03-08)

おひとりさま日和 (双葉文庫 に 03-08)

おひとりさま日和 (双葉文庫 に 03-08)

作家
大崎梢
岸本 葉子
坂井希久子
咲沢くれは
新津きよみ
松村 比呂美
出版社
双葉社
発売日
2023-09-13
ISBN
9784575526899
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「おひとりさま日和 (双葉文庫 に 03-08)」のおすすめレビュー

同じ映画を離れた席で観る女、番犬をレンタルする高齢女性…。6人の作家が描く「おひとりさま」に活力をもらう

『おひとりさま日和』(双葉社)

『おひとりさま日和』(双葉社)は、6人の作家がそれぞれおひとりさま女性を描いた短編集である。なかでも、〈一緒になにかをしても心が離れたままの夫と過ごすより、ひとりのほうがずっといい〉と意地を張って自分に言い聞かせていた女性が、かろやかに「ひとりは淋しくないのだ」と心から思うことのできる瞬間を描いた「週末の夜に」(咲沢くれは)は、おひとりさまの心境をとても丁寧に掬いあげている気がする。

 主人公・頼子は中学教師で、日頃より女子生徒から独り身であることを揶揄され、同僚たちにも「変わり者だ」という目で見られている。離婚の原因は夫が若い女に走ったこと。自分は淋しくない、これでいいのだと証明するために力の抜きどころを忘れてしまうのは、当然である気がする。そんな彼女が、かつての教え子の母親に出会い、同じ映画を離れた席で観る関係を手に入れたことで、心から今の自分を肯定することができたのが、読んでいて嬉しかった。二人でいることも、一人でいることも、いつだって自分で選べるのだと思えたから。

 おひとりさまは、必ずしも孤絶しているという意味…

2023/9/24

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おひとりさま日和 (双葉文庫 に 03-08) / 感想・レビュー

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たっくん

「おひとりさま」暮らしの女性の生活をテーマに6人の作家による競作短編集・・世の中は物騒と番犬レンタルを始めた八十四歳老女(リクと暮らせば)「幸せのお守りサービス」緊急・相談ボタンのついたペンダントを身に着ける女性(幸せの黄色いペンダント)東京都で離島を除けば唯一の村で暮らす草木染作家は遠距離恋愛中(永遠語り)週末には一人で映画館通い、そんな女性にお仲間が・・(週末の夜に)栃木県N市で念願の一戸建てマイホームを購入した矢先夫に先立たれた妻は・・(サードライフ)ほか。ほっこりと、しみじみと読了した。

2024/01/11

みかん🍊

おひとりさま生活をする6人の女性たち、独身や離婚や死別と理由は様々だが、自由でもあり寂しくもあり心細くもあるが、犬が支えてくれたり、趣味や近所付き合いとおひとりさまで暮らしていく、一人で映画に行くのは寂しいと思われるのかな、自分だけ観たい映画は一人でも行くけどなあ、一人で食事はちょっと苦手だが、人生何時何があるか分からない、おとりさまでも強く楽しく暮らしていくのが一番、犬や猫は一緒にいて欲しいけど。最後の「最上階」がよかった、一人で頑張る人達でもマンションでのコミュニティで助け合えればいいな。

2023/10/18

のんちゃん

48歳〜84歳の一人暮らしの女性を主人公とした短編集。一人暮らしの理由は死別、離婚、未婚と様々だが、どの作品の主人公も自分を見失わず、色々と不便や不都合、世間からの偏見もあるが、最終的には納得したシングルライフを送るラストになっていて読んでいて清々しい気持ちになった。作者5人の女性作家さんのうちお二人が初読み。そのお一人、咲沢くれはさんは読み易く相性の良い作家さんと感じた。小説推理新人賞を受賞した『五年後に』は読んでみたい。新津きよみさん作品の主人公が唯一、最初、心許ない人だったので応援しながら読んだ😆

2023/12/30

ごみごみ

近い将来、自分も「おひとりさま」になるかもしれない。そもそも女性の方が平均寿命が長いのだから、そうなる可能性は必然的に高い。気楽で自由な生活を想像してワクワクする気持ちと、寂しさや経済的な問題などを考えると不安もある。娘のどちらかが日帰りできる距離に住んでくれるのが理想だが、彼女たちの人生のお荷物にはなりたくない。やっぱり健康とお金は大事!あとは気の合う仲間が数人いてくれれば。6つの短編、どの話にも共感できて、面白かった。特に印象的なのは「永遠語り」「サードライフ」

2023/10/01

よつば🍀

「リクと暮らせば/大崎梢」「幸せの黄色いペンダント/岸本葉子」「永遠語り/坂井希久子」「週末の夜に/咲沢くれは」「サードライフ/新津きよみ」「最上階/松村比呂美」"おひとりさま”をテーマにした6話収録の短編集で、全作書き下ろし作品。アンソロジーは当たり外れがあるけれど、本作は全話面白かった。私はおひとりさまが大好きなのでシングルライフに憧れる。ひとりならではの自由さと快適さ、時々感じる不安や孤独。どの物語にも共感出来るポイントが満載だった。新津さんの作品はピリリと毒を効かせながら笑いのツボもあって楽しい。

2023/12/08

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