「絵本から国民的人気キャラクターを!」『MOE』編集長の「大人が絵本を読むのって変ですか?」第7回
更新日:2018/4/11
突然ですが、『MOE』4月号(3月2日発売)では、なかやみわ先生を特集します。
なかやみわ先生は、「そらまめくん」「どんぐりむら」「くれよんのくろくん」「やさいのがっこう」「こぐまのくうぴい」などの絵本シリーズを描いており、子どもたちならみんなが知っている絵本作家さんです。
その実績も驚くべきもので、デビュー20周年で累計800万部! 1万部売れたらヒットと言われる絵本の世界ですので、この数字がどれだけすごいのか、皆さんもご理解いただけるでしょう。
そんななかや先生の絵本の特徴は、なんといってもすべての作品でかわいらしい愛すべきキャラクターが登場するところです。ということで、今回は「絵本と人気キャラクター」をテーマに進めたいと思います。
国民的人気キャラクターといえば、
アンパンマン、きかんしゃトーマス、くまのプーさん、くまモン、ジバニャン、しまじろう、スヌーピー、孫悟空(ドラゴンボール)、トトロ、ドラえもん、ノンタン、ハローキティ、ピカチュウ、プリキュア、マイメロディ、マリオ、ミッキーマウス、ミッフィー、ムーミン、
などなど、ちょっと抜き出しただけでもいっぱいあります。
これらのキャラクターたちはテレビアニメ、映画アニメ、ゲーム、マンガ、グッズ、絵本、ゆるキャラと成り立ちはいろいろです。
やなせ・たかし先生が生み出したアンパンマンは絵本出身ではあるものの、やはり、アニメが圧倒的に強いですね。
マンガブランドショップを出店している某グッズ会社とお話ししたとき、「マンガ作品もテレビアニメ化されるとグッズの売り上げが急に跳ね上がるんですよ。」なんて話もしていました。テレビアニメの影響力はまだまだすごいなという感じですね。
一方、絵本から生まれた人気キャラクターといえば
アンパンマン、おさるのジョージ、ぐりとぐら、こぐまちゃん、11ぴきのねこ、そらまめくん、ダヤン、だるまちゃん、ニャンコ(『せかいいちのねこ』『いらないねこ』)、ノラネコぐんだん、ノンタン、バムとケロ、はらぺこあおむし、ミッフィー、リサとガスパール 他
があるのですが、世の中に膨大に絵本があるのに国民的人気キャラクターは意外と少ないな……という印象です。
少ないのにはいろいろ理由があるのですが
①絵本は1冊で完結しているものが多い
②登場人物のキャラクター性を作りすぎていない
主にはこの2点ではないでしょうか?
①について
先ほど紹介した絵本から生まれた人気キャラクターのほとんどがシリーズものです。キャラクターが主人公の絵本でキャラクターに人気がでると、読者に続編を期待してもらえるのでシリーズ化されていきます。シリーズ化されたものは、アニメなどにもなりやすく一気に認知度を高め人気キャラクターへと成長しています。ただ、多くの絵本はキャラクター主体の絵本ではありませんし、1冊で完結しているものがほとんどです。
②について
絵本は、登場人物にキャラクター性を作りすぎないようにすることによって読み手側に想像の余地を持ってもらうことができます。人によってとらえ方が違ってきますし、同じ人でも子どもの時と大人になってからではとらえ方が違ってくることも良くあります。そこが何度も読みたくなってしまう絵本の秘密なのかもしれません。
考えれば考えるほど、絵本からは人気キャラクターが生まれづらいんですよね。
とはいえ、人気キャラクターを生み出すことも絵本業界の活性化のために必要だと感じているので、MOEとしても応援していきたいと思っています。
と、誰に向けて書いているのかわからなくなってきたので、趣向をかえて最近おすすめの大人女子向き絵本関連グッズ(サイト)を紹介したいと思います。
このコラムの目的が「絵本を読むきっかけづくり」なのでグッズが気に入った方は、ぜひあわせて絵本も読んでみてください。
GUSTAVE higuchiyuko ギュスターヴ ヒグチユウコ
ヒグチユウコさんが立ち上げたオリジナルブランド。すごい人気で新作のたびに売り切れ続出中。生活雑貨、衣類から複製原画、フィギュアまで。大人女子がときめくオシャレアイテムがそろっています!
公式サイト
http://gustave.higuchiyuko.jp/about/
ショップ(Palm maisonパームメゾン)
http://www.store.palm-jpn.com/fs/palm/c/gustave_higuchiyuko
布川愛子
布川さんは、絵本だけでなく、広告、書籍装画、ステーショナリーなどを中心に活動されています。布川さんの描き出すかわいいがあふれるイラストグッズは、持っているだけで心が癒やされます。
公式サイト
http://www.nice-nice-nice.com/
ショップ(表現社 cozyca products)
http://www.cozycaproducts.net/artistpage/fukawa/fukawa.html
※他からも商品が出ているので探してみてください。
トラネコボンボン
トラネコボンボンとは、お店を持たず、旅するレストランとしてそのときどきのテーマや素材に合わせて料理を提供する、中西なちおさんの活動です。中西さんはイラストレーターとしても活動中。そのイラストがグッズにもなって人気急上昇中!
公式サイト
http://toranekobonbon.com/
ショップ(OBO mansion)
https://obomansion.stores.jp/
※他からも商品が出ているので探してみてください。
では、ここから3月2日発売の『MOE』4月号の宣伝です。今回、表紙と巻頭で大特集するのは冒頭でもご紹介したなかやみわ先生です。
『そらまめくんのベッド』でデビューしてからの20年の創作の成果をたっぷり詰めこみました。絵本キャラクター大集合ではなかや先生が生み出したキャラクターを全部見せちゃいます。さらには『そらまめくんのベッド』の試作絵本を全ページ公開。作品への発想から、伝えたい思い、創作方法まで教えちゃいます。中味の詰まった特集になっていますのでぜひご覧ください!
今回のふろくは描きおろしの絵本です。
しばわんこシリーズ最新作!
「しばわんこの たのしいせいかつ」
「しばわんこ」はMOEから生まれた絵本シリーズ。日本人なら知っておきたい日本の風習や行事などを楽しく学べる絵本です。今回はどらやきの作り方、お茶のたて方、お弁当づくりと大人でも知りたい知識が楽しくわかる絵本になっています!! しばわんこ、みけにゃんこと一緒にぜひ試してください。
その他にも、カリスマ占星術研究家の鏡リュウジさんが、春からの新しい人生に向けて星座別にアドバイスとラッキーアイテムを紹介。その他、魅力的な猫を描く作家を紹介する特集や映画「リメンバー・ミー」などなど。大人気連載ヒグチユウコ「ほんやのねこ」ではオシャレ対決やってます! 今回も読み応えありがいっぱいです。
『月刊MOE』最新号は3月2日(金)発売!
「やさいのがっこう」シリーズ最新作も3月2日発売!
門野隆(かどのたかし)編集長
1974年生まれ。早稲田大学法学部を卒業後の1999年に株式会社白泉社入社。青年漫画誌『ヤングアニマル』にて15年、『コンテンツビジネス部』にて2年を経て、2017年12月よりMOE編集部所属および編集長に。MOE編集部に来てはじめて子どものころ意外とたくさんの絵本を読んできたことに気づく。→『MOE』公式サイトはこちら
▶次回の門野編集長のコラムは、4月初旬更新予定です!
「大人が絵本を読むのって変ですか?」
「2017年絵本屋さんにもっとも評価が高かった絵本は?」
「絵本作家ってもうかるの?」
「有名な絵本って何があるの??」
「すごいぞヨシタケシンスケ!」
「大人からの絵本デビュー者募集!」