高輪ゲートウェイ駅誕生で再注目の山手線へ!「山手線30駅さんぽ」に挑戦しよう。『散歩の達人』編集長コラム

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公開日:2020/3/23

『散歩の達人』4月号(交通新聞社)

 こんにちは。月刊『散歩の達人』編集長の土屋です。

 今月号の特集は「山手線30駅さんぽ」。3月14日に西日暮里駅以来49年ぶりの新駅「高輪ゲートウェイ駅」が開業し、計30駅となった山手線。その歴史は明治5年(1872)の日本における鉄道開業にまで遡り、今も原宿駅の新駅舎や西日暮里駅のイベントスペース誕生など話題はつきません。多数の巨大ターミナルを抱え、都心の真ん中をぐるぐる回るこの路線は、街と人、物をつなぐ、東京の大動脈。沿線を散歩すれば東京のリアルな姿が見えてくるはず。本特集では、山手線30駅の散歩の達人流の楽しみ方をお伝えします。

 山手線を乗車して一周した方は多いと思いますが、歩いて一周した方は少ないのでは? 本特集では、編集部Mとスタッフで山手線一周さんぽに挑戦しました。実際に追体験することはできなくても、ぜひ一周の醍醐味を誌上体験? してみてください。ちなみに編集部Mはなんと2回目の山手線一周とのこと(じつは編集部には他2名の一周踏破者あり)。

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高輪ゲートウェイ駅2階から山手線を撮影。ここから撮影する人の多かったこと……。
高輪ゲートウェイ駅の外観はこんな感じ。手前は田町方面の京浜東北線の線路です。

 さて、みなさん気になっているはずの高輪ゲートウェイ駅。私も遅ればせながら開業4日目に行ってまいりました。編集作業の合間を縫って行ったのですが、山手線を下りると平日なのにお客さんでいっぱい。みなさんスマホで撮影にいそしんでいます。

 誌面で紹介した、無人AI決済店舗『TOUCH TO GO』は23日オープンとのことで体験できませんでしたが、それにしてもお客様は多いのに、駅のスタッフの方はほとんど見かけません。

 改札を出ると記念きっぷの販売をしている方はいましたが、目立つのはそれくらい。ホームドアはあるし、車椅子対応の自動改札だし、インフォメーションもAI案内ロボットだし、人が少なくても大丈夫な、最新技術が詰まった駅舎に、今までの駅のイメージが覆る思いでした。

 ただ、駅自体は明るく天井が高く、気持ちよい空間。東側はガラス張りで、2階には東向きのベンチが備え付けられ、芝浦方面の景色が存分に楽しめます。隈研吾デザインの駅舎は環境にも配慮されているとか。駅前はまだまだ建設中ではありますが、最先端技術の結晶でもある高輪ゲートウェイ駅。ぜひ一度足を運んでみてほしいと思います。

高輪ゲートウェイ駅近くの『Devi Corner品川』でバターチキンカレー。ここのナンは本当においしい。
有楽町駅近くのガード下酒場『新日の基』にて。店内の様子は誌面をご覧あれ。

 今回の特集は山手線30駅なのですが、一つの駅で特集ができてしまうくらいのターミナル駅ばかりなので、残念ながら一つ一つの駅をじっくり紹介することはできません。その代わり、30駅全駅のグルメを紹介した「ベストオブ山手線駅近グルメ」を作ってみました。

 山手線を3エリアに分けて、1駅1店以上紹介していますので、ぜひ山手線で出かける際のランチや軽食などの参考にしてください。もちろん高輪ゲートウェイ駅近くの店も紹介していますよ。実際に取材してみると、本当にいい店ばかり。名店が並ぶ保存版になったと自負しています。

今回のガード下酒場で一番入りにくい有楽町の『ミルクワンタン鳥藤』。でも店内は居心地よし。
新橋『やきとんまこちゃん ガード下酒場』のやきとんはタレの甘辛さが絶妙なのです。

 そして、山手線といえば高架。上野~新橋間を思い浮かべる人も多いかと思います。そしてそのガード下の酒場が気になりますよね(私だけ?)。今回はそんなガード下酒場もたっぷり紹介しています。外観はいい雰囲気なのに、初めてでは入りにくい店ばかりだと思いますが、今月号でそんな不安を払しょくしましょう。

 新橋『まこちゃん』は大ぶりのやきとんが甘辛のタレをまとい、ビールもサワーも進む味。新橋の本店の渋さとは一風変わったネオ大衆酒場風なので、女性も入りやすいのもいいところです。立ち飲みの『あかしや』も一度店に入ってしまえば、多彩なつまみと居心地よき空間が待っています。タコと穴子で焼酎ハイボールをぜひ。

 そしていかにもガード下酒場といった風情の新橋『羅生門』、有楽町『登運とん』はもちろん、有楽町の『ミルクワンタン鳥藤』もぜひ。ここのシメに出てくる「ミルクワンタン」のやさしい味わいはガード下酒場の奥深さを表している気がします。それぞれ詳しくは本誌をご覧ください。名物料理とともに紹介しています。

 大特集では、ほかにも編集部おすすめ企画がずらり。「駅からさんぽ」では、「高輪ゲートウェイ駅→田町駅」「原宿駅→代々木駅」「日暮里駅→西日暮里駅」といった、旬な3駅を起終点にした散歩コースを提案。また、「秋葉原SEEKBASEで大人の趣味探し」「“ミルスタ”のこだわりとは?」「待ち合わせは、駅前の喫茶店で」「山手線駅そばラリー」「気分もアガる山手線ビュースポット」などなど、盛りだくさんです。

 新コロナウイルスの影響でお出かけ気分がトーンダウンしている昨今ですが、せっかくの春本番の季節。まずは本誌で誌上さんぽにおでかけください。私も早くいつも通りの散歩ができるよう心から願っています。

土屋広道(つちやひろみち)
1972年生まれ。関西学院大学社会学部卒業後の1996年に株式会社弘済出版社に入社(合併を経て2001年に株式会社交通新聞社)。『鉄道ダイヤ情報』『旅の手帖』編集部を経て、2008年より『散歩の達人』編集部所属。2017年11月号より同誌編集長。

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