「SAVE AREA」「B宝館」……、カルチャー発信地・所沢エリアを侮るな!『散歩の達人』編集長コラム

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公開日:2020/1/22

『散歩の達人』2月号(交通新聞社)

 こんにちは。月刊『散歩の達人』編集長の土屋です。

 今月号の特集エリアは「所沢・飯能・狭山・入間」。武蔵野台地の北に位置するこのエリアは、単なる郊外ではありません。日本の航空発祥の地である所沢。関東随一のお茶産地の中心である狭山・入間。そしてかつては林業や織物業で栄え、秩父とは違う奥武蔵独自の文化を育んできた飯能。その飯能には首都圏でも注目のテーマパーク『ムーミンバレーパーク』が2019年3月に誕生したばかり。さらに東所沢には新たな街づくり拠点「ところざわサクラタウン」も今年7月にオープンする予定です。豊かな自然の中にこの地ならではのユニークなカルチャーが生まれ続けている所沢・飯能・狭山・入間の今をたっぷり紹介しています。

 今月号の表紙、ラッキーパンダをご存じでしょうか? 彼は航空公園近くに月に数回現れ、出会えると幸運が訪れるという噂のご当地キャラクター。ラッキーパンダも今年で20歳ということで、今回表紙を飾っていただきました。購入した読者の皆さんにも幸運のおすそ分けができたらうれしいです。

 さて、今回の特集のキャッチコピーに「カルチャー発信地」とつけていますが、所沢の中心、所沢駅近くには残念ながら現在、書店も映画館もありません。駅から続く通りにもチェーン店ばかりが目立っていて、「カルチャー」を感じるところはあまりないのですが、じつは広く特集エリアの各所から意外にも文化の薫りを感じるのです。

 例えば狭山・入間には進駐軍の基地があったため、その家族の住居「米軍ハウス」が数百軒作られ、1970年前後から細野晴臣をはじめとした多くのアーティストが移り住み、独特の文化を醸成。そのハウス文化は今も狭山・入間には息づいています。飯能には『ムーミンバレーパーク』ができる前から、ものづくりと古い街並みを生かした街の魅力を地元から発信していました。

 そして所沢。この街でまず紹介したいのが、所沢駅から池袋線で一駅、西所沢から徒歩15分ほどのところに約1年前に登場した『SAVE AREA』。ここはその存在自体から全く新しい施設なのです。かつて倉庫だった場所が、長屋式ショッピングモール「C.V.Cモール」を中心にした、100坪もの巨大シェアスペースとなっているのです。

倉庫を改造したシェアスペース『SAVE AREA』のC.V.Cモール入り口。この日はホットドッグのキッチンカーが出ていた。奥の2階建てになっているモールの様子がわかるでしょうか。

『SAVE AREA』内部を少し紹介します。まずは「C.V.Cモール」。ここは1~2階のフロアを使ったショッピングモールで、おもちゃ屋。古道具屋、古着屋などさまざまな店が並び、ひとつの大きな雑貨屋を形成している感じ。女性ハンドメイド作品があれば、スケボーショップもあり、ボードゲームやファイヤーキングのマグカップもあり……。一つ一つの店を見て歩くだけでも楽しい品揃えです。

 1階にはC.V.Cモールの隣にスケボーのミニランプ『巻ノ家修練場』があり、3階には食事もできる多目的スペースやレンタル工作室、ワークショップも開催できる畳敷きの和個室も。屋外スペースにはキッチンカーが出ていることもあり、老若男女誰もが1日中楽しめる施設になっています。ぜひホームページを見て、気になるイベントや出展者に合わせて出かけてみてほしいと思います。この『SAVE AREA』、所沢の新しい文化発信地になりそうです。

 そして所沢にはもう1つ、『B宝館』があります。ここは森永卓郎さんのコレクションを中心にした私設B級グッズミュージアム。新所沢駅から徒歩10分ほどのところにあり、さらに月に1回(毎月第1土曜の12~18時)しか開館していないので、なかなか行きづらいのですが、行けばきっとお気に入りのものが見つかる施設なのです。

『B宝館』のコカ・コーラ缶のコレクション。世界中のコカ・コーラの缶が集まっている。
『B宝館』のミニカーコレクションの一部。森永さんが最初に集め始めたのがミニカーで、今は3万台にもなるという。

 私も取材時にじっくり拝見しましたが、ミニカーや鉄道模型だけでもすごい数で、ほかにもお菓子のおまけや昔のカセットテープ、デジタルカメラのモックアップ、崎陽軒の醤油入れ「ひょうちゃん」などなど、2フロアにわたって12万点並んでいます。個人的には昔自分が持っていたウォークマンの初代機があったのが感動しました。

 貴重なおもちゃを集めているのではなく、わかる人でなければゴミにしか見えないようなものばかりかもしれませんが、その網羅感はメーカーにもないラインナップだとのこと。昭和時代からの文化の流れの一端を感じることができるはずです。

 大特集では、ほかにも「所沢・飯能・狭山・入間」にまつわる企画がずらり。このエリアではみんなが気になるであろう「大人こそ楽しい! ムーミンバレーパーク満喫法」を皮切りに、所沢駅西口の中通り近辺の動きを取材した「気になる通りはどんなトコ?」や、「所沢は漬物の街なのだ」「街を彩る“ハウスカルチャー”」「日本一のラッパー晋平太 韻踏み歩いた 地元の狭山」「飯能に手塚治虫⁉の謎を探る」などなど、盛りだくさんです。もちろんエリアごとにカフェやグルメの情報も満載しています。

所沢駅東口にあるうどん店『涼太郎』。つけ汁も麺も進化している。

 そして第2特集は、寒くなってきた今の時期にぴったりな「近場の温泉郷案内」。都心から行きやすい「秩父」「つくば」「熱海」の3エリアと日帰りのおすすめ温泉を、昭和風情のガイドブック風にたっぷり紹介しています。

 寒さは厳しいですが、空気の透き通ったこの季節。ぜひ「所沢・飯能・狭山・入間」、そしてあったか~い温泉を求めてのお出かけはいかがですか? そしてそんな情報が満載の本誌を、どうぞ一度、手に取ってみてください。

土屋広道(つちやひろみち)
1972年生まれ。関西学院大学社会学部卒業後の1996年に株式会社弘済出版社に入社(合併を経て2001年に株式会社交通新聞社)。『鉄道ダイヤ情報』『旅の手帖』編集部を経て、2008年より『散歩の達人』編集部所属。2017年11月号より同誌編集長。

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