辛口メッタ斬りコンビが大絶賛! No.1新人の傑作小説とは
『ダ・ヴィンチ』7月号(メディアファクトリー)
鋭い舌鋒で新人賞受賞小説を斬る「メッタ斬り」シリーズで人気の書評家・大森望&豊崎由美。先ごろ、電子書籍で発売された爆笑必至の『村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」メッタ斬り!』も好評だ。そんな二人が『ダ・ヴィンチ』7月号にて、上半期新人賞受賞作をメッタ斬り! 二人をして「豊作だ」といわしめた2013年上半期、エンタメ・純文学の垣根を越えてもっとも面白かった真の1位とは……?
【大森】 小山田浩子『工場』は、2010年の新潮新人賞受賞作。3年遅れで刊行されました。
【豊﨑】 わたしは断然、これですね。大森さんが挙げた作品ですが、上半期新人賞はダントツで『工場』。
【大森】 もう結果が出ましたか(笑)。舞台は工場というより広大な企業城下町。敷地内に社員食堂だけで100近く。釣り堀まである。
【豊﨑】 美術館もあります。工場の職員や芸術家の作品を展示してる。いりませんっ!(笑)。登場人物らは働けば働くほど、読者も読めば読むほど、一体何を作ってる工場なのかわからなくなる。
【大森】 その工場で新たに…