松尾貴史「“面白そうだけど、こんなの誰が読むの?”という本を、僕はいつも買う」
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載「あの人と本の話」。今回登場してくれたのは松尾貴史さん。幼い頃や学生時代の読書体験、そしておすすめの一冊『倫敦巴里』の著者、和田誠さんとのエピソードについてお話を伺った。
松尾貴史まつお・たかし●1960年、兵庫県生まれ。TV、ラジオ、映画、舞台、エッセイ、イラスト、折り紙など幅広い分野で活躍。出演作に舞台『ザ·空気ver.2』、ドラマ『獣になれない私たち』ほか。著書に『違和感のススメ』など。毎日新聞「日曜くらぶ」で「松尾貴史のちょっと違和感」連載中。
「“この本は面白そうだけど、あまり売れないだろうな”という本を、僕はいつも買うんです。あまり売れない本って、あっという間に書店の店頭から消えちゃうので。売れそうな本はいつでも買えますから、“面白そうだけど、こんなの誰が読むの?”という本を、最近は選んでいるんです」
読書家の母の影響で、松尾さんは幼い頃から本に囲まれた暮らしをしてきたという。
「子どもの頃、自分ではモーリス・ルブランとかコナン・ドイル、…