安室透と肩を並べる人気者!『名探偵コナン』赤井秀一6つの名言

マンガ

更新日:2018/5/22

『名探偵コナン』(青山剛昌/小学館)

 劇場版名探偵コナン『ゼロの執行人』の快進撃が止まりません。マーベル・スタジオ映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を抑えて、公開3週目のコナンが勝利したというニュースが、日本のみならず、世界中をかけめぐりました。アイアンマンが負けたのですから、そりゃハリウッドも驚きます。もはや、国内最強のエンタメコンテンツと言えましょう。

 特に今作は、人気キャラクターである安室透をメインに据えたことも大きな要因だと言えます。むしろ、メインキャラが彼じゃなかったらさすがにアベンジャーズは倒せなかったのでは……いや、どうなのか。

 そこで、アベンジャーズに勝利した記念ということで、改めてコナンの魅力に迫ってみようと思います。

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 前回は準レギュラーである鈴木園子を特集しました(//ddnavi.com/review/454911/a/)。この記事でフィーチャーするのは安室透と肩を並べる人気者。赤井秀一さんです。

 コミックス32巻で登場し、またたく間に読者のハートを撃ち抜いた赤井さん。凄腕のスナイパーであり、FBIきっての切れ者捜査官、さらには登場キャラの中でも珍しく複数の女性関係が明かされているモテ男です。

 しかしその一方で、工藤新一、怪盗キッドに負けず劣らずのキザ発言が目立つ人物でもあります。また、頭が良すぎるせいか、たびたびトリッキーな行動にでるのも特徴。既刊コミックス94巻を読み返し、赤井さんのカッコいい名言を、ピックアップしてみました。

●「腐った林檎」(42巻 File,10「ラットゥンアップル」)

 敵であるベルモットに向かって、放った言葉。

 『3年B組金八先生』では、不良生徒を「腐ったミカン」とたとえるシーンがありましたが、赤井さんは、不老不死の女を、「腐った林檎」と表現します。たとえ女性だろうと、敵には容赦なく厳しい言葉をかける赤井さん。でも、ババアとか醜女とか、下品な表現を用いないところがステキですよね。ベルモットが出演していた舞台「ゴールデンアップル」にかけているところにも知性を感じます。

●「ちっ!ガキ連中が邪魔で‥」(42巻 File.10「ラットゥンアップル」)

 逃げるベルモットを撃とうとするも、コナンたちが邪魔で発砲できなかったときの一言。じつはこの直前、ベルモットの顔が裂けたことを、嬉々としてジョディに説明していました。この無駄話がなかったら、余裕でとどめを刺せたのに……。ともあれ、無関係の一般市民を巻き込まない、赤井さんの優しい一面が垣間見える一言ですね。

●「愛しい愛しい…宿敵さん?」(49巻 File.4「黒の組織VS.FBI(2)」)

 宿敵と書いて、恋人と読みます。赤井さんといったら、このセリフという人も多いかもしれませんね。狙った獲物は、敵だろうと女だろうと確実に落とす……という赤井さんのプライドを感じます。このあとのジンの「ずらかるぞ」まで含めて、いいシーンだと思います。ジンとウォッカは、江戸時代の小悪党的な言い回しが特徴です。

●「開けるんだキャメル…」(85巻 File.3「緋色の帰還」)

 ジョディとキャメルが決死のカーチェイスをしている最中、振り返るとなんと後部座席に赤井さんの姿が! まさに神出鬼没。一体いつ乗り込んだのか? 走行中はさすがに無理そうなので、車を発進させる前でしょう。さすがのジョディたちも座っている人物に気が付かないほどマヌケではありません。つまり、このセリフを言う瞬間まで、赤井さんは後部座席のシートの下に密かに隠れていたということになります。体を縮めて隠れる赤井さんがかわいいですね。本当、トリッキーな人です。

●「好奇心という名の熱病」(92巻 File.4「さざ波の魔法使い」)

 10年前、FBIに入る前の赤井さんのセリフです。好奇心という名の熱病に冒されているのだそう……キザというよりも厨ニ臭いですが、赤井さんが言うなら許されます。ちなみに赤井さんの実父である務武も、この言葉を口にしていたような描写があるので、赤井さんの発言は父親譲りだと推測できます。

●「これじゃ、どでかい鉄の闇夜のカラスは撃ち落とせんよ」

 2016年に劇場公開された『純黒の悪夢(ナイトメア)』より。暗視スコープがお釈迦になった赤井さんが、コナンに向けて言った言葉です。直訳すると、「暗いので、ヘリコプターが撃ち落とせません」という意味になります。できない理由を説明するための言葉選びにも余念がない赤井さんですが、じつはコナンと合流する前は、「このライフルでは歯が立ちそうにないな」「この距離では無理か」「上からでは無理か」という、言い訳ひとり言の三連発をかましています。結構普通のことも言えるんです。TPOをわきまえ、相手を見てワードをチョイスする赤井さんです。

 作者・青山剛昌のお気に入りとあって、キャラの立ち方が半端じゃありません。数多とキャラクターが登場しているにもかかわらず、誰とも被らないカッコよさを見せつけてくれる赤井さん。今後の活躍に期待しつつ、より多くの名セリフを生み出してくれることを楽しみにしています!

文=島野美穂(清談社)

※この記事は公開後に一部内容を修正しております。

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