支え合ってハッピーな毎日を送る義理の姉妹の晴れやかなハートフルコメディ!『晴れ晴れ日和』/マンガPOP横丁(65)

マンガ

公開日:2021/6/25

晴れ晴れ日和
『晴れ晴れ日和』(吉村佳/KADOKAWA)

 みんなを幸せにさせてくれる、そんな素晴らしい作品を見つけてしまった。はりま、すごーい! ぜひ本作に登場するルイくん(女の子だが)に心を包み込むように言葉で抱擁してほしいなと感じた、今回のマンガPOP横丁の枕なのでございます。後半でもきっと私の作品への想いが炸裂することを予告しておきます。

 ということで、はりまがみなさんを笑顔にさせる案内役を勤めさせていただきます。あ、いつも楽しいマンガ作品をご案内しているので、通常運転でした! そのくらい心が穏やかになれちゃう、義理の姉妹の日常を描いた『晴れ晴れ日和』(吉村佳/KADOKAWA)をご紹介します。

 男性社員にモテモテで、その仕事っぷりから女性社員にも憧れの的となっているマドンナOL、香田千晴。ある日千晴は海外で生活している母親から再婚の事実が伝えられる。と同時に、ひとつお願いを受けるため、大雨の中、ある葬式の会場へ向かう。そこにはひとりポツンと座る女の子の姿があった。その子は再婚の相手の子どもで、名前は天原ルイ。親と離れ、育ての親である祖父と暮らしていたのだが、その祖父が亡くなってしまい、ひとりぼっちになってしまったのだ。先ほどのお願いというのは、ひとりになったルイの引き取りに関することだった。参列者から漏れるネガティブな会話に心がジメジメする千晴。しかしルイのひとりで生きていく決意に千晴の心は一気にカラッと晴れ、彼女は決断をする。それは、ルイと一緒に暮らすことだった。その時、天気は虹も出るほどの清々しく晴れ上がり、まるでその決意を歓迎してくれているかのようだった。こうして千晴とルイは義理の姉妹となり同居生活が始まった。

advertisement

 さてそんな2人の生活、まず千晴はルイに超メロメロ! 仕事を完璧にこなす職場では見せない、あまあまちゃんな千晴がいた。一方でルイはというと、まだ7歳の小学生なのに、超しっかり者で超イケメン対応(女の子だが)。そんなルイは自分の呼ばれ方に関してもカッコイイ。それは千春との初対面で「ルイちゃん」呼びを「わたし向きじゃない」と却下し、結果「ルイくん」という呼び方が千春をはじめ、周りにも浸透するほど。なにかと凹む千晴に対しとてもナイスなフォローや労いを返してくれるのだが、それは千晴を一発でキュン死させる言葉ばかり。これは祖父と暮らしていたときにルイが率先してお世話をしていたからに違いない。

 そんな非常にいい感じのバランスで暮らす姉妹だが、義妹のルイに変化が訪れる。それは、新しい小学校への登校だ。前日の夜、十分に予習をして道具を揃えて準備万端。楽しみな気持ちが抑えきれずにルンルンするルイ。大人顔負けのしっかり者がいきなり見せる子どもらしい行動とのギャップに読み手はもうキュンキュン必至(はりま調べ)。そして翌日の登校初日。ルイは早々に勉強や運動でみんなを虜にさせる。特にクラスの女子をキュンとさせるのであった。なお、ルイの女子人気振りは、クラスの垣根を越えてのルイを巡る友だち争奪戦へと発展していく。ルイは特別視することなくみんなと平等に優しく接する子。そういうところから彼女の人気の高さがうかがえる。クラスメイトや友だちとの交遊や運動会など、次々とルイに訪れる楽しい毎日が楽しく描かれている。こんなにニヤニヤさせてくれるのかと、幸せで満腹な読後感を与えてくれる。

 あーもう尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い尊い!

 計100の尊いが素直に出てしまう、義理の姉妹と黒ネコとのハッピーハートフルストーリーは終始幸せにさせてくれる作品で、老若男女を問わず強くオススメしたい。

 ん? 黒ネコが突然出てきたって? このネコはルイの相棒で、素晴らしいコンビネーションを見せてくれます。ではこの続きはコミックスで!

マンガPOP横丁

文・手書きPOP=はりまりょう

あわせて読みたい