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眺望絶佳 (角川文庫)

眺望絶佳 (角川文庫)

眺望絶佳 (角川文庫)

作家
中島京子
出版社
KADOKAWA
発売日
2015-01-24
ISBN
9784041018095
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眺望絶佳 (角川文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

プロローグにスカイツリーからの往信、そしてエピローグには東京タワーからの返信。間には、東京を舞台にしたちょっと不思議な8つの短篇といった珍しい構成をとる。オスマンの大改造で美しく整ったパリのようではないけれど、なんだか雑然・混沌としたところもあちこちにあるけれど、無機質でつまらないビルもいたるところにあるけれど、それでも(あるいはそれ故にか)東京は魅力的な街である。本書は、中島京子が正攻法ではなく語る東京讃歌である。私はといえば、自分の年齢からも、もろ手を挙げて東京タワーのノスタルジーを支持します。

2022/01/28

ミカママ

ふむふむ、なんだかちょっと不思議でモヤモヤする短編集だなぁと思いつつ。ラストの東京タワーからの書簡で、ストンとモロモロが納得できるような。中島さんて、独特の雰囲気をもった作品を描かれる方だなぁ。読み終わってすぐ、読み返して確認したくなるような短編集でした。

2017/03/28

さおり

中島京子さんは前に1冊読んで、向いてねーなと思ったのに、なぜだかまた積んじゃって、何度もちょっと読んでは気分じゃねーなと思ってまた本棚に戻して、なんてことをしてたんだけど、今回は気合い入れてなんとか、やっとの事で最後まで読んでみました。で、向いてねーなと思いました。薄い短編なんだけどねー。これはもう、私が悪いんだと思う。不思議なお話たちで、これを楽しめるだけの心の余裕というかひだというか、そういうのが足りない、私が悪い。

2016/11/05

キムチ27

賛辞として、筆者の巧手に拍手。いつか見たCMの画面のような♪東京タワーVSスカイツリーが語る足下の四方山はなし。笑い、涙、いっちょかみ、こすっからさetc。だからと何なんと言う話しもあったりで筆者が緩急自在に手の内をさらす感じ。スッキリしない感が大半なのは作戦かな。「キッズのための…」は折から続くヤンママ事件がかぶり…リアルに読めた。

2015/12/01

shizuka

ゴミ屋敷に住まう高齢姉妹の話に魅かれて。『金粉』なぜこのタイトルなのか。もちろんすぐには分からない。姉妹はふたり仲良く暮らしている。気心分かり合えるのはこの二人だけだから。家を出れば敵ばかり。元は薔薇屋敷、今はごみ屋敷。嫌われる理由は正当にある。でも姉妹にも理由はある。誰も分かってくれないけれど。生活を守るため他者は寄せ付けない。それでも来訪者あればおもてなしの心は忘れない。それが「金粉」。余韻がたまらない一編。東京タワーとスカイツリーの往復書簡、東京タワーが感じる哀愁。これはまさに残された昭和の悲哀。

2017/05/05

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