営繕かるかや怪異譚 その参
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【京極夏彦特集】寄稿&インタビュー「拝啓、京極夏彦様」/小野不由美さん
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年10月号からの転載です。
京極夏彦とはどのような人物なのだろうか。それは京極ワールドを楽しむ私たちにとって、永遠の謎である――! 京極夏彦さんと共に作品を作り上げた方々、またご親交のある作家の皆さまに、京極さんとの思い出や京極作品の魅力について伺いました。今回は小野不由美さんです。
京極さんと初めてお目に掛かったのは、関西ミステリ連合の京大主催のイベントだったと思います。たぶん、三作目の『狂骨の夢』が出た直後だったのではないでしょうか。イベントで京極さんの講演会が催されることになったのでした。 だいたいにおいて、大学ミステリ研は新人の登場に敏感で、デビュー作で注目されるとイベントに呼ばれがちです。たぶん新人のほうが心理的距離が近く、お願いしやすいし、来ていただきやすいということもあるのでしょう。呼ばれる新人作家のほうも一読者である自分と作家になった自分の間でふわふわしていて、立ち位置に戸惑っている感じがするものです。その物慣れない様子が初々しく、たいへんに微笑ましかったりするのですが、京極さんは一線…
2023/9/16
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営繕かるかや怪異譚 その参 / 感想・レビュー
starbro
小野 不由美は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。3年前に読んだ第二弾に続く、久しぶりの『その参』を読みました。そこはかとない怖さは変わらず、オススメは、「誰が袖」&「茨姫」です。 https://kadobun.jp/special/ono-fuyumi/karukaya/
2022/09/11
ひさか
怪と幽vol.2,vol.4〜6,vol.8〜9に掲載されたものを一部改稿し、2022年8月角川書店刊。シリーズ3作目。待ち伏せの岩 火焔、歪む家、誰が袖、骸の浜、茨姫、の5つの連作短編。怪異をなんとかしていく尾端の姿勢が自然で頼もしい。尾端以外にも大工の隈田、僧侶の秦、庭師の堂原が尽力する様が興味深く、ストーリーにリアル感を添え楽しい。5編とも良く出来た話で面白い。
2022/09/23
とろとろ
短編6話。最初は子供が見た古い家のガラス。次は音のする家。それが姑の怨念だと思う嫁。ドールハウスに思いを入れ込み過ぎて何を作ってもそれが歪んで見える若い女性。古い家から持ってきた薬箪笥に亡霊が宿ると思う若い夫。家の庭先に出る影から現実にその場所に行った女性。庭先の作業小屋で自死した姉の本当の気持など…。営繕かるかやと称する大工の尾端が家具や住居が原因だといってそれを修理し、ついでに住んでいる人の心も修理してしまうというお話なのかな。これが3冊目というから、前の2冊もこんな話か。これから読んでみようと思う。
2022/11/07
紅はこべ
怪異の正体を突き止めるという話ではない。死者より生者を救うお話。殆どが女の人が主人公だったな。「火焔」の姑、「茨姫」の実母が訳わかんなかった。「待ち伏せの岩」で西洋の伝説で恋人に泳いで会いにゆこうとした青年が溺れ死んだ話があったと思ったけど、名前が思い出せない。
2023/03/23
モルク
シリーズ第3弾。6話の短編集。家や家具を修理することによりそこに渦巻く因縁などを取り除くあるいは静める営繕かるかやの尾端。今回は出番が少ないがピリリといい仕事をする。「歪む家」「茨姫」が好きだけど、どの作品も主人公たちが追い詰められ八方塞がりとなったときに尾端さんが登場し、彼の助言や修理で、そのものが直るだけではなく主人公たちが前向きになれる。その希望が見えるところがいい。
2022/10/26
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