バガージマヌパナス わが島のはなし (角川文庫)
バガージマヌパナス わが島のはなし (角川文庫) / 感想・レビュー
enana
池上永一のデビュー作 大親友の86歳のオバァとともに、楽園生活を満喫していた綾乃。しかし突然、神様にユタ(巫女)になれと強制されてしまい――。沖縄の豊かな伝承を舞台に、圧倒的なイメージ喚起力と想像力で描く幻想的な物語。
2018/10/25
しょこ
ふと図書館で見かけて読んでみた。池上さん初読み。カバーイラストがすごく綺麗でかわいらしくてずっと見てても飽きない~☆沖縄ファンタジーのようで、どんな綺麗な世界が広がっているのかと思ったら…、なんだかおかしいぞ。主人公の綾乃は仕事もせず86歳のオージャーガンマーとユンタク(おしゃべり)してダラダラ過ごす毎日。最後まで読み終えると、二人のこの関係はすごくいいものなんだけど、ホントに呆れるくらいひどいだらけ様。そんな、綾乃に神様からお告げがあり、ユタの道へ。何気にカニメガもイイ味出してたな。ロケット花火…笑。
2016/10/14
そふぃあ
19歳の少女と86歳のおばあさんの破天荒な仲良しコンビが織りなす池上永一ワールド。デビュー作からジェットコースターみたいな作品書いてたんだ。御嶽やユタの古い信仰が未だに息づいて、あの世とこの世が近く境界が曖昧で、まるで沖縄の空と海みたいに溶け合ってる。熱帯はマジックリアリズムがよく馴染む。沖縄ののんびりだらだらした雰囲気とウチナーグチ(沖縄言葉)の気の抜けるような語感が読んでて心地よく、あたたかい気持ちになった。
2016/01/21
あたびー
#日本怪奇幻想読者クラブ 石垣島。読み進むに従い川平湾辺りが中心の舞台だとわかる。高校を卒業しても定職につかず近所の大謝家の次女婆様、オージャーガンマーと無邪気に遊び回る綾乃。その綾乃に再三神様からユタになれと言う託宣が下る。ユタになりたくないので無視を続ける綾乃だが、何度も深刻な神罰が当たり…全篇これ八重山口、しかし字幕(?)付きでスイスイ読める。トゥバラーマやデンサー節の歌詞の解説もあり、どっぷり八重山の空気に浸れる快感。また川平湾へ行ってあの美味い八重山そばが食べたいんですけど。
2020/08/31
aloha0307
とっても心地よい物語の世界 ずっとひたっていたいよ。作者:池永さんは、読メ前に夢中で読んだ”テンペスト”を書いたのではないかな(同様の世界であった)。南の島の空気、おひさま、波、人々の根っこ&魂etcに包まれるような優しい涙が...ユタ(沖縄の女性霊媒師)の少女と おばあ の 交流...pureとはこのことをいうんだろう。
2017/09/17
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