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夜明けの花園

夜明けの花園

夜明けの花園

作家
恩田陸
出版社
講談社
発売日
2024-01-31
ISBN
9784065331392
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「夜明けの花園」のおすすめレビュー

恩田陸の「理瀬シリーズ」最新作『夜明けの花園』。謎多き学園で起こる怪事件の真相とは

『夜明けの花園』(恩田陸/講談社)

『三月は深き紅の淵を』(恩田陸/講談社文庫)に収録された「回転木馬」からはじまった、恩田陸氏による「理瀬シリーズ」。ファンの間で根強い人気を誇るシリーズの最新作『夜明けの花園』(恩田陸/講談社)が、このたび上梓された。本書には、同シリーズに登場するヨハンや聖を主人公とした短編を含むスピンオフが全6話収録されている。謎めいた学園を取り仕切る校長の過去、理瀬の子ども時代の記憶など、ファンにとって興味深いエピソードが満載の一冊である。

 第1章「水晶の夜、翡翠の朝」は、湿原にひっそりとそびえる全寮制の学園を舞台に物語の幕が開く。本章の主人公・ヨハンが「優雅な檻」と表現する学園は、高額な学費が要るにもかかわらず、一定数の需要が尽きない。訳ありの生徒が頻繁に出入りする校内は、幾つかの“種類“によって生徒が振り分けられている。一つ目の「ゆりかご」は、世間の荒波から逃れ、温室のごとき環境で過ごすことを目的とした生徒。二つ目の「養成所」は、芸術やスポーツ、高度な勉学など、特殊なカリキュラムをこなす生徒。三つ目の「墓場」は、物騒なネ…

2024/2/9

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夜明けの花園 / 感想・レビュー

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夢追人009

理瀬シリーズのスピンオフ短編集という事ですが私は未読ですので中々に難しい読後感ではありましたが、とことん理詰めではない著者の妖しい雰囲気と魅力に触れられたのは良かったです。恩田陸さんが愛着を感じて書き継がれているシリーズの既刊を今後読んで行きたいと思いますね。童謡の見立て殺人の不気味で残酷なムードと予想をひっくり返されるショッキングなどんでん返しの物語が強烈な毒を感じさせ印象的でしたね。ファンタジックでミステリアスな西洋風で日本人離れした世界観の物語にどっぷり浸りたいと思いますね。#NetGalleyJP

2024/04/05

starbro

恩田 陸は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。ゴシック・ミステリ「理瀬」シリーズ初短編集、オススメは、「水晶の夜、 翡翠の朝」&「麦の海に浮かぶ檻」です。 「ゆりかご」か「養成所」か、はたまた「墓場」か、装幀もGOODでした。 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000380816

2024/03/02

さてさて

『陸の孤島。優雅な檻。この学園から出ることはとても難しい』。『麦の海に浮かぶ城』とも比喩される全寮制の『学園』を舞台にした雰囲気感豊かな〈水晶の夜、翡翠の朝〉など6つの短編が収められたこの作品。そこには、”「理瀬」シリーズ”どっぷりな世界が描かれていました。恩田陸さんのさまざまな側面に魅せられるこの作品。そんな作品の最後を飾る短編〈絵のない絵本〉に登場する『理瀬』の存在感の大きさを改めて感じさせられるこの作品。今度は、”「理瀬」シリーズ”の長編を読んでみたい!そんな思いが沸々と込み上げてくる短編集でした。

2024/02/04

パトラッシュ

恩田陸という作家のすごいところは、異なるジャンルでも一流の成果を出せること。ミステリ、SF、ファンタジーにジュブナイル、シリアスからコメディに至るまで、各分野の垣根を軽々と越えて専業作家以上の作品を書いてみせる。本書はファンタジーとホラーのブレンドに、スパイ物のオリーブを飾ったカクテル風の逸品。基本の風味はドライだが、ジンとベルモットの比率を変えたりウオッカやテキーラを使ったりカシスを加え、飲み手が飽きないよう工夫している。北国の湿原に浮かぶ学園にふさわしく、様々な味を楽しむバーテンダーの腕を堪能したい。

2024/02/23

モルク

理瀬シリーズ短編集。湿原にある訳ありの生徒が暮らす全寮制の学校。世間の荒波にあてたくない生徒の「ゆりかご」芸術、スポーツなど秀でた才能を持つ「養成所」親と一緒に暮らすことができず存在すら世間から隠されている、ここから出てこないでほしい生徒の「墓場」の3種類の生徒に分けられる。ヨハン、聖、校長など懐かしい人物が…そしてこの独特な陰鬱な世界に引き込まれていく。あぁそうだった、そうだった。この世界だよ。今正に思い出す。イラストも、そうそうこれこれ!暫しその世界に浸る…

2024/04/18

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