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ツタよ、ツタ (小学館文庫)

ツタよ、ツタ (小学館文庫)

ツタよ、ツタ (小学館文庫)

作家
大島真寿美
出版社
小学館
発売日
2019-12-06
ISBN
9784094067255
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ツタよ、ツタ (小学館文庫) / 感想・レビュー

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キムチ27

NHKの紹介が無かったら、手にすることなかったであろう1冊・・彼女のような足跡を辿ったであろう女性が大勢いたであろうことを感じた読後。明治末期は近代史、女性の歩みは親、男、子の陰にあって然るもの、心の裡に有る呟きすら仇や疎かに言えない時代。沖縄に生まれ育った聡明な彼女自らの解放を言の葉に乗せたことが人生を大きく変えた。私が「ツタ」なら、今の時代なら泣き喚き訴える術を選ぶのだろうが筆者は恐ろしいまでに淡々と水彩画の様に綴る。読み始め、韻律を踏まぬ和歌?と感じ違和感も受けたがこういう表現法もあるのだろう

2020/08/28

チェアー

テレビ番組から知った本。 ツタは文章の力と怖さを知った女性だった。筆を折ってからも、自分のなかではずっと言葉を紡いできた人だったのだろう。それを外に出さないこともまた、彼女の表現の一つだったのだ。辛く、また強いことだった。

2020/09/14

まあさん

ただ一作だけの小説を発表、生まれ故郷の沖縄を“ありのままに”描いたことがかえって故郷の反感を買うことになり…その後筆を折ることになった久志芙沙子さんをモデルに小説化されたものです。感想としては、主人公に入り込めないといいますか…久志芙沙子さんの真実を知りたいという私の関心で読んでいたこともあるのでしょう…ルポだったらよかったのにと思ってしまいました。ただ、小説の後半で沖縄の雑誌記者からの取材を受けたことをきっかけに、主人公ツタが自らの人生を振り返る場面は印象的で、物語をしっかりと締め括ってくれた感じです。

2021/02/28

chiyo

★3.5 明治後期、沖縄の士族の家に生まれたツタ。女学生時代から就職・結婚、そして今際の際の彼女まで、その生涯を独白のみで綴る。正直なところ、序盤はあまり話に乗れず、数日で僅かなページしか読み進められなかった。が、ツタ=千沙子の小説が婦人雑誌に掲載されてからは、ほぼ一気読み。女性の作家が珍しかった当時、重くも切実なテーマで小説を書いたこと、騒動に対する釈明文という名の宣戦布告、その全てに拍手を贈りたい。ツタのモデルは沖縄出身の女流作家・久志芙沙子、作家としての彼女が埋もれてしまったのが本当に勿体ない限り。

2020/05/01

mori009

沖縄で生まれたツタが内なる衝動に突き動かされ、生涯たったいちど物語の執筆に取り組む姿のなんと情熱的なことか。他作品(たとえば『渦』もそうだ)でも「物語を書く」行為の深淵について書いてきた著者にとって書く理由を追及すること自体が小説のテーマになっているのか。書き記されるのはツタの一生ではなくいわば部分部分なのに、出来事の起伏があるたびにツタの内面が深く深く掘り下げられることでツタという人間とその一生そのものを俯瞰しているようだ。自らにお前は誰かと問い続けるようなツタの生き様が読み手にもまた問いを投げかける。

2019/12/08

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