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サキの忘れ物 (新潮文庫 つ 34-3)

サキの忘れ物 (新潮文庫 つ 34-3)

サキの忘れ物 (新潮文庫 つ 34-3)

作家
津村記久子
出版社
新潮社
発売日
2023-08-29
ISBN
9784101201436
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サキの忘れ物 (新潮文庫 つ 34-3) / 感想・レビュー

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エドワード

こんな話は本当にあるよね、という津村記久子さんの短編集。標題作の千春は本を読まない。何て娘だ、と最初思うが、あるお客様が忘れた文庫本がきっかけで本を読む。変わっていく千春が感動的だ。ラジオのようだ、という会話が二度出てくる。「喫茶店の周波数」と「行列」。行列はあるあるの連続だ。アレを見るのに12時間待ち、という表現が阪神優勝とタイムリーに重なり笑えた。グッズ販売で爆買いする人々を見ると、経済効果〇億円というのもうなずける。「河川敷のガゼル」はお役所対応と真っ直ぐな人々のよくある光景。逃げろ、ガゼル。

2023/09/26

小太郎

この本は書店で帯の文句に惹かれて購入。「いつまでも残響が残った。森絵都」「津村さんの新作は希望のひとつなのだった。益田ミリ」津村さんは割と読んでる作家さん。よく仕事小説の達人みたいに言われるけど、この9編の短編集はバラエティに富んでいて色々変化球も投げられるんだと改めて感じました。この中では圧倒的に「サキの忘れ物」が良い!サキってあの小説家のサキなんだ~主人公千春が本を通して成長していく話なんだけど、出てくる小説家の趣味が良い「クリスティ、モーム、アシモフ、織田作之助」あとは「行列」「王国」★4

2023/12/01

Nat

図書館本。書店にあったオススメポップに惹かれて借りてみました。何とも不思議な短編集でした。表題作の「サキの忘れ物」が1番好きかな。「王国」と「Sさんの再訪」も割と好き。私もかさぶたが気になって取りたくなってしまう子どもでした。

2024/03/10

Shun

表題作含む短編集。著者の同じく短編集「この世にたやすい仕事はない」はテーマを奇抜な職業に絞って著者独自の世界を構築していたが、本作ではもっとバリエーション豊富な作品が収められている。それでもやはり著者独自の色と分かる個性的な世界が魅力で癖になる一方、万人受けはしなさそうとも思う。少なくとも収録作の一部はとても癖のある作品と言えそうだ。そして表題作は最も読みやすい作品で初手に配置し、癖強めの「行列」という作品は読み慣れた中盤に現れ、よく考えられた収録順と思ってしまった。津村さんの不条理ものはなかなか好みだ。

2023/09/18

mayu

本を読み通した事のない少女が'小さい本のことだけても自分でわかるようになりたいと思った'とだんだん気持ちが変化していく所に光を感じた表題作「サキの忘れ物」が1番良かった。津村さんの描く日常が私はとても好きだ。喫茶店での会話を聞いたり、行列に並んだり、昔を思い出したり。出会いがあり、再会があり、小さなきっかけが後に大きな変化に繋がっていく。そういう人いるよねとか、こういう積み重ねで人生はできているんだろうなぁとか読み終えた後もしばらく感慨にふける。ゲームブックも面白かった。人生の切取りが詰まった一冊。

2023/08/31

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