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ママ・アイラブユー (新潮文庫 サ 6-2)

ママ・アイラブユー (新潮文庫 サ 6-2)

ママ・アイラブユー (新潮文庫 サ 6-2)

作家
W. サローヤン
岸田今日子
内藤 誠
出版社
新潮社
発売日
1987-10-01
ISBN
9784102031025
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ママ・アイラブユー (新潮文庫 サ 6-2) / 感想・レビュー

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NAO

【月イチテーマ⠀家族・会社・組織】作者が誰かを知らないままにこの本を読んだら、作者は女性だと誰もが思うだろう。サローヤンは、何の違和感もなく女性になりきっている。しかも、ちょっとおしゃまで考えがころころ変わるピチピチの女の子だ。サローヤンの繊細さ細やかさが、女の子の姿となってきらきら光っている。だが、彼女に心惹かれるのは、彼女のような子どもが現代においては極めて稀だということを知っているからなのだろう。

2021/01/20

風眠

(再読)小学5年生から私はバリバリのolive少女だった。oliveの書評欄でこの小説を知り、読んだのは中1の時だったと思う。olive少女ならば完全に好きな雰囲気。9歳のキラキラヒメと、スター女優を夢見るママ・ガールのニューヨークでの暮らし。このお洒落っぽさに当時の私はノックアウトされた。そして大人になった今、これはただお洒落なだけの物語ではないと気づく。大人になりきれないママ・ガール、そんな母親をよしよし、ってする「小さな母親」キラキラヒメ。可愛らしい会話の中に見え隠れする、少女の過酷な現実が切ない。

2016/01/07

アン

ママからは蛙ちゃん、パパからはキラキラヒメと呼ばれる少女。パパと別れ、スター女優を夢見るママとのお話。少女の愛称「Twink」をキラキラヒメと訳す岸田今日子さんのセンスも素敵。「どうして大人ってみんな、そんなにめんどくさいの?」と正直な疑問を投げかける少女に、時々ドキッとさせられますが、大好きなママを応援する姿は可愛く抱きしめたいほど。登場人物も魅力的で、人を愛する優しさを届けてくれる一冊です。『パパ・ユーア クレイジー』とセットで読まれると更に楽しいと思います。

2018/12/13

ぱせり

軽快な音楽が聞こえる。軽快に踏むステップのリズムが聞こえる。大人と子どもの胸の内で、きらめいている妖精じみた少女がくるくると踊っている。それは楽し気に。だけど、楽し気なのは、楽しいこととは違う。少女は訊く。「人生ってなあに?」 物語にさっくりと混ざった少しビターな味わいが、余韻となる。

2017/03/29

きりぱい

家族からキラキラヒメと呼ばれる9歳の少女目線の物語。女優を夢見る母と突発的にニューヨークへやってきて、思わぬ出番が訪れる。型破りでキュートなママだけど、すぐ怒ったり落ち込んだり、その度正直な質問にうんざりさせられたり、逆に、大人って何でこんな悩みにエネルギーを使い果たしているんだろうって、自分を取り戻せたりする時もある。子供みたいなところも大人の事情もフェアに見せるママ・ガールと、妙に大人びたところを見せる娘、二人の会話が楽しくて、それに誘われるように周囲の人々も悶着を起こしながら温かい。

2012/06/25

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