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ふれられるよ今は、君のことを

ふれられるよ今は、君のことを

ふれられるよ今は、君のことを

作家
橋本紡
出版社
文藝春秋
発売日
2012-11-07
ISBN
9784163818009
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ふれられるよ今は、君のことを / 感想・レビュー

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あも

中学教師の楓は何事にも執着せず平坦に生きている。その生活に入り込んできた"彼"が、楓を変えていく。けれど彼は前触れなく消える。文字通り消える。次に現れる日は分からない。3日後かもしれない、百年後かもしれない。ありえない?でも現実も人は急に死ぬし急に離れていく。いつか別れるでもそれは今日ではないと目を反らしたって。終わりの予感と過ごす苦しみを、一瞬の尊さを慈しむ覚悟に変えて。日々は変わらぬまま続き、私もあなたも変わっていく。いつか別れる、だからこその今を。愛している。愛されている。それ以上に大切なことなど。

2020/08/11

うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)

中学校で社会科を教えている楓は、先輩教師から楓が担任しているクラスの生徒の一人がクラブで問題を起こしたと教えられ・・。言うなれば楓は事なかれ主義の教師。こんな教師がいたら絶対に嫌だなと思うのに、彼女の事は不思議と憎めませんでした。彼と出会ったことでいかに自分が生活をおざなりにしてきたかを痛感した楓。もう彼を知る前の自分には戻れない。一度光を知ってしまうと、暗闇にはもう戻れないのだなと思いました。それにしても最近の著者の本は危険です。空腹時に読むと無性に色々な物が食べたくなります(苦笑)★★★★

2013/02/24

irodori

中学教師の主人公は、時々“消える”年下の彼と同棲中という不思議でどこか暖かいお話です。人と関わることの切なさや寂しさ、幸せを教えてくれます。独りが平気でも、一度誰かと関わればその虚無な空間には戻れなくなる。普通のご飯を、誰かと囲む平凡な毎日が最大の幸せなんですね。

2014/01/11

ひめありす@灯れ松明の火

氷菓、彼、君。その三つが頭から離れない。氷菓の様な君というのは、一体誰なのだろう。冷蔵庫の中の氷菓の様に、何時でもしっかりと輪郭を持っていて変わらない男。だけどいつの間にかいなくなってしまう、時の狭間に溶けて消える男の事なのだろうか。それとも、夏の日向僅かばかり目を離した隙に台所で溶けてしまう氷菓。ちょっとタイムスリップしている間にきちっとあったはずの輪郭を失ってしまう女の事なのだろうか。私はどちらでもあると思うけれど、とにかく今はその形を味を唇が知って、その冷たさを肌が知る。ふれられるよ今は、君のことを

2013/01/29

chiru

楓の恋人は、時々消えてしまう(SF的に)。 恋人と会えない『不在』に苦しむ楓は、ある生徒と深くかかわることで自分を変えていく。 好きになってしまってから『出会わなければよかった』って思う気持ちは、普通の恋愛と変わらないし、ぬくもりを知ってしまった以上、忘れることは不可能というのも共感してしまう。 そして、彼の何もかもを受け入れるのに必要なのは、やっぱり相手の体温を感じることなのかも。 ★3

2018/03/08

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