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夢見る帝国図書館

夢見る帝国図書館

夢見る帝国図書館

作家
中島京子
出版社
文藝春秋
発売日
2019-05-15
ISBN
9784163910208
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あらすじ

私が年の離れた友人から依頼されたのは「図書館が主人公の小説」だった。
本に学び、本を守り、本を愛した人々の物語。

文章修業をしている「わたし」は上野図書館に並々ならぬ愛着を抱く喜和子さんに出会い、年齢差を超えた友情を築いてゆく。
喜和子さんは「図書館そのものを主人公にした小説を書いてよ」と持ちかけるが、多忙になったわたしは書けないままに喜和子さんとも疎遠になってしまう。

久しぶりに再会した喜和子さんは老人ホームに居た。
友情が復活するも、喜和子さんは病気で亡くなり、娘だという女性は冷たくてとりつくしまもない。

わたしは、喜和子さんが生前に「もう一度読みたい」と言っていた本のタイトル『としょかんのこじ』を手がかりに、喜和子さんの半生、そして彼女が愛した図書館の歴史を辿り始める……。

わたしと喜和子さんの物語と、夢とも現ともつかない図書館が主人公の小説が、折重なり、近代化する日本で人々がいかに「図書館」を愛してきたかが浮かび上がる。

本を愛するすべての人の胸を熱くする図書館小説です!

「夢見る帝国図書館」のおすすめレビュー

帝国図書館が今日まで辿った数奇な運命を、実在の著名人を絡めて描く『夢見る帝国図書館』

『夢見る帝国図書館』(中島京子/文藝春秋)

 JR上野駅公園口から動物園や美術館が並ぶ上野恩賜公園を東京藝術大学方面に向かうと、レンガ造りの堅牢な建築物が視界に入る。子どものための本を揃える「国際子ども図書館」だが、正直子どもだけのためにするのはもったいないほどクラシカルで素敵な佇まいだ。それもそのはず、これは今から100年以上前の1906年に帝国図書館として建てられた、明治から続くルネッサンス様式の歴史的建造物なのだ。

 中島京子さんの『夢見る帝国図書館』(文藝春秋)は、この国際子ども図書館が帝国図書館だった時代を知る、喜和子という高齢女性を取り巻く物語だ。

 主人公の「わたし」(なぜか、名前はない)はある日、上野公園で孔雀を思わせる奇天烈な格好の女性と出会う。喜和子と名乗る短い白い髪の女性は、小説家志望でフリーライターの「わたし」に、「上野の図書館のことを書いてみないか」と突然切り出す。お題は「夢見る帝国図書館」。「わたし」は自分で書けばいいのに、と思いながらも喜和子と言葉を交わすようになり、間借り人で藝大生の雄之助や、元恋人で大学教授の古尾野…

2019/6/16

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夢見る帝国図書館 / 感想・レビュー

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starbro

中島 京子は、新作中心に読んでいる作家です。旧帝国図書館(現国立国会図書館国際子ども図書館)を巡る幻想譚、中島 京子ワールド全開です。旧帝国図書館建築100周年記念展示会 https://www.kodomo.go.jp/event/exhibition/tenji2006-03.html は見逃しましたが、まだ訪れたことがない国立国会図書館国際子ども図書館 https://www.kodomo.go.jp/100th/ を近いうちに訪問したいと思います。

2019/06/25

のぶ

本好きと文学を愛する人にはお勧めの一冊だろう。売れない小説を書いているわたしは、ある日、喜和子さんという女性と知り合う。喜和子さんに提案され、帝国図書館の歴史をひもとく小説を書き始める。物語はわたしと喜和子さんとの交流と、帝国図書館の歴史が並行して綴られる。多くの文士が訪れ、文壇を知っている図書館の魅力が存分に描かれていて興味深い。一方、喜和子さんは話し半ばで亡くなってしまうが、とても魅力的で、何かミステリアス。時代に翻弄された彼女の人生と、日本の歴史を見続けていた帝国図書館のマッチングは面白かった。

2019/05/31

ウッディ

作家の私が上野の公園で偶然出会った喜和子さん。本を愛し、自由に暮らす彼女の生き方に惹かれていく私は、図書館の話を書いてほしいと依頼される。本が好きな人間にとっては、図書館は特別な場所であり、それは、歴史に名を残す文豪にとっても、一介の庶民にとっても同じである。図書館を作り守ろうとした偉人たちと図書館にまつわる幻想的な物語を織り交ぜながら、喜和子さんとの交流や彼女の過去を巡る実話風のストーリーが進み、心の琴線に触れる文章が心地よい。特に樋口一葉に恋した図書館の物語が可愛いかった。まずまずでした。

2019/08/15

モルク

作家の「私」が上野で出会った喜和子さんに帝国図書館を主人公にした小説を書くことを依頼される。喜和子さんという個性的で魅力ある女性の人生を追いながら、その間にコラムのような感じで帝国図書館のこと、文豪たちのエピソード、歴史が語られるのもおもしろい。そして喜和子さんの捨てた過去が明らかとなってくるとともに次第に引き込まれていく。個人的には、帝国図書館がもっとも愛したのは樋口一葉であったであろうというくだりが一番のお気に入り。

2019/08/29

旅するランナー

いろんな人を受け入れ、本を守り、文学者を育ててきた、上野。帝国図書館にまつわるエピソードに興味を持ち、ユニークな喜和子おばさんの生きざまが鬱陶しい前半。喜和子さんの生涯に女性の一生の凄さを感じ、図書館ネタに飽きてくる後半。夢見る少女じゃいられない。作者が図書館を活用して、いろいろ調べたであろう労力に賛辞を送ります。図書館ユーザー&読書ラバー必読の書です。

2019/07/12

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