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新宿・夏の死 (文春文庫 ふ 23-1)

新宿・夏の死 (文春文庫 ふ 23-1)

新宿・夏の死 (文春文庫 ふ 23-1)

作家
船戸与一
出版社
文藝春秋
発売日
2004-05-11
ISBN
9784167683016
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新宿・夏の死 (文春文庫 ふ 23-1) / 感想・レビュー

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眠る山猫屋

再読。さようなら、船戸与一先生。崩れ行く時代の新宿での、いくつかの死。哀しく無惨で、尊厳すらないいくつかの死。救いも無い物語の群れ。 船戸与一先生、春に亡くなられていたのですね、長い間ありがとうございました。ハンネは『山猫の夏』からいただいたのです。さようなら。

2015/09/07

makimakimasa

約90P×8篇の中篇集。全篇が濃厚で印象に残る。ボロアパート住まいのオカマを取り巻く人生模様。高利貸業社員や右翼構成員、ぼったくりバー店員が主人公の話は新鮮な視点だった。ホームレスの話は単純な人情物語でない、人間の複雑な感情の業が炙り出される。多様な外国人の存在も彩りを加える。新聞記者の卵が付き合うベトナム難民、コロンビア娼婦達と暮らすイラン麻薬密売人、兵役上がりのイスラエル人旅行者、中国当局に追われるチベット人活動家、人身売買に携わるロシアマフィア。新宿という舞台装置の底知れない奥深さとドラマ性を見た。

2019/12/02

Chako@(旧名:かど =^ェ^=)

改めて男臭い小説だなぁと思う。有川浩作品をあえてたとえるなら女子小説、船戸作品は男子小説!と言いたくなる。著者の作品はほとんどが発展途上国や経済、治安が不安定な国地域を舞台とする。読者はその国地域の歴史と現代史、しかも表には出ないような裏側の物語を著者のフィルターを通して堪能できる。そんなワールドワイドな印象を持つ著者が自国日本を取り上げた、しかも新宿限定で季節は夏。NYの人種の多さにある意味!?引けを取らないほどのいろんな人が生息してるであろう新宿を四六時中街中の定点観察とか ↓つづく

2012/09/23

2兵

船戸与一の短編集。いずれも東京・新宿が舞台で、季節は暑い夏、死をテーマにしたものという共通点が存在。短編集とはいえ、船戸氏なので、どれも濃くてハード、しかも殆どの話は暗くて救いが無い…。正直、クズみたいな登場人物も多くて、読むのが辛かったが"夏の渦"のおかまさんたちの強さや"夏の雷鳴"の主人公とプロレスラーの友情には、僅かに元気を貰えた。特に"夏の渦"における「夏の終わり=青春の終わり」とする構図が結構切なかったなあ。最後の"夏の星屑"はハードボイルドだが、余りにも救いがなさ過ぎて少し引いてしまった。

2019/05/19

jj-jasmine

船戸与一はやっぱり長編の方が展開が深くて面白いかな。「夏の死」とあるだけにどの短編も死と絡んでいて辛く切なくなる。その中にあって唯一「夏の渦」だけは少し異色のような感じで良かった。

2012/09/04

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