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誤解だらけの日本美術 デジタル復元が解き明かす「わびさび」 (光文社新書)

誤解だらけの日本美術 デジタル復元が解き明かす「わびさび」 (光文社新書)

誤解だらけの日本美術 デジタル復元が解き明かす「わびさび」 (光文社新書)

作家
小林泰三
出版社
光文社
発売日
2015-09-16
ISBN
9784334038809
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誤解だらけの日本美術 デジタル復元が解き明かす「わびさび」 (光文社新書) / 感想・レビュー

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keroppi

オフ会交換本3冊目。日本美術の制作当時の姿をCGで再現する。そこにあるのは、現在わびさびと言われているものとは違う極彩色の姿。とくに阿修羅像には唖然。と言っても、現代の照明ではなく、きっと外から差し込む少ない自然光や月の明かり、ロウソクの灯りで浮かび上がる極彩色だったのだろう。そこには、神々しく光り輝く美しさがあったのではないか。と、想像たくましく見てしまう。ただ、阿修羅像の時代を経た今の姿も、時の流れの中で人間たちの苦しみを見据えてきたようで好きなのだが。

2018/09/27

ポチ

お気に入りさんより。風神雷神図の正面に座ってゆっくりと鑑賞したい!キトラ古墳に横たわり壁画を堪能したい!月明かりに浮かぶ黒漆の銀閣を月と共に眺めたい!阿修羅像は明治時代に腕が作り変えられて修復されていたのには驚きました。全て見開きで復元前・後の画像を掲載して欲しかったです。復元後の本来の色より、経年によって深い趣がある現在の方が好みです。

2017/06/20

さつき

お気に入りさんのつぶやきから興味を持って。風神雷神図屏風、キトラ古墳壁画、銀閣寺、阿修羅像がデジタル技術で『復元』されています。古色のついた状態を見慣れていると、作られた当時の色彩豊かな復元図には驚かされます。銀閣は月を愛でるための『楼閣』だという見解は説得力がありますね。煌々とした灯りの下ではなく、薄暗がりの中で時の移ろいを感じながら鑑賞するのが日本美術の本来の姿だと。なんて贅沢な時間なのでしょう。

2017/06/05

ホークス

デジタル復元を通じた日本美術の再評価。キトラ古墳で月が太陽並に大きい理由を「古代の人々にとって、時はただ押し流されるものだった中で、月の満ち欠けは、しがみつく事のできる川中の大きな岩だった」と言う視点に著者の凄さを感じた。「日月山水図屏風」復元図のクールな色調も素晴らしい。日本には確かに「月と銀の文化」があった様だ。復元阿修羅像の派手さにびっくり。あの神々しさは奇跡的な風化の賜物と知った。美術展の混雑対策はご説の通り、デジタル再現が良い。その内モーレツ世代は減り、私共ユルい世代は過酷な所を避ける筈だ。

2018/03/04

oldman獺祭魚翁

最近多く見られる歴史上の建築物や美術品のCG再現。我々は今現在の状態しか知らないが、こういうものを見ると建物にしろ美術品にしろ完成時は遥かに華やかで、色鮮やかだったのだろう。往時の人々は我々が考えるよりずっと色彩豊かな世界に生きていたのではないだろうか?著者は美術評論家でも美術史家でもない。大学で美術を学んで印刷会社に入った後、美術品のCG復元という分野に携わる変わり種と言える。其の為かそれぞれの対象物に対する思い入れはかなり独り善がりの面も見受けられるが、そこが本書を面白くして居るのかも知れない。

2016/11/28

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