怪談四十九夜 鬼気 (竹書房怪談文庫)
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「現実がふわっと揺らぐ瞬間がある」“怪談実話”の定義とその魅力を『怪と幽』編集長に聞く【選書5冊】
夏といえば怪談シーズン本番! というわけで、“お化け好きのバイブル”的雑誌『怪と幽』(KADOKAWA)編集長の似田貝大介さんに、「怪談実話」の魅力について教えていただきました。怪談実話とは、その名のとおり実際にあった出来事をもとに執筆される怪談のこと。田中康弘さんの『山怪 山人が語る不思議な話』や松原タニシさんの『事故物件怪談 恐い間取り』のヒットであらためて注目されるこの分野をさらに楽しむコツとは? オススメ作品5作とともに、似田貝さんがその魅力を語ります。
怪談実話の出発点には、体験談がある
──今日は怪談のなかでも人気の高い「怪談実話」について、お話しいただこうと思っていますが、そもそも怪談実話とはどういうものですか?
似田貝大介さん(以下・似田貝) ざっくり言うと、怪談には大きく分けて創作と実話の2種類があります。前者は著者の想像力によって生み出されたフィクション。怪談実話は、実際に起こった出来事を、体験者への取材や著者自身の経験をもとに書いたものです。出発点に体験談があるところが、怪談実話の一番大きな特徴ですね。これは活字だけでなく、稲川…
2020/8/11
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怪談四十九夜 鬼気 (竹書房怪談文庫) / 感想・レビュー
夢追人009
百物語の半分弱で49日の語呂に合わせて死や苦という縁起の悪い不吉な言葉を連想させる数字に彩られた10人の実話怪談の達人による贅沢な作品集ですね。今回は我妻俊樹さんは少し大人し目でしたが、つくね乱蔵さんはいつもながら実にいい仕事をされますね。少し気になるのは編著者の立場の故からなのか黒木あるじさんの出来がイマイチだった事ですが、でも全体的に十分に満足の行く作品集でしたね。私が自信を持って本書のベストに推す不気味な一編です。『封印』つくね乱蔵:三十年ほど前、吉川さんは大学を卒業しミュージシャンを目指していた。
2021/05/08
HANA
実話怪談アンソロジー。実話怪談、それもアンソロジーというと玉石混交なのだが、今回は各著者の特色が十分発揮された出来だと思う。一番特色あるのは田辺青蛙の関西ご当地怪談、あそこにそういうのがあるのかという驚きとこのコロナ禍に応じた話始め関西人にはすっと入っている話が多い。他にも各人の体験が連なって行きどんどん嫌感が増してくる辺り流石と思わせる黒木あるじに、相変わらずひたすら嫌感を追求してくるつくね乱蔵、特に「コッカッ」のうすら寒さと言ったら…。等力量をもった人が多数参加しているので、安心して読める一冊でした。
2020/07/26
さりぃ
#怪談四十九夜 鬼気 #黒木あるじ KindleUnlimitedで読了。 奥付を見ると2020/4/1発行。 たくさんの怪談師さんたちの共演本。 激怖いのはなかったがなかなか良いお話もあった。 『そらのおはか』『宿直』『電話帳』 『コッカッ』『兆髪』 辺りは好き。 つくね乱蔵氏の『コッカッ』だけは薄ら寒くなった。
2020/07/20
ネムコ
黒木あるじ氏と愉快な仲間たちによる四十九話の怪談話。面白さと読みやすさは黒木さんが断トツだけど、他の話者のもハイレベル。話運びや下げが巧み。イヤな話では「コッカッ」が一番かな。
2021/07/02
qoop
本書の書き手たちはみな達者で独自性が強い。内容もバラエティ豊かで一気に読ませるが、同時に共通項も。とにかく一冊通して不穏さが濃厚。ストレートな怖さあり、日常が歪む感覚あり、あるいは体験者の心情への違和感あり…と品質保証のアンソロジー。我妻氏〈そらのおはか〉、葛西氏〈つゆだけでも〉、田辺氏〈幽霊画の話〉、丸山氏〈ふたりが聞いた声〉、冨士氏〈帰る人〉、つくね氏〈コッカッ〉〈封印〉、神氏〈兆髪〉、吉田氏〈コーヒー〉、黒木氏の一連の話、黒氏〈ない〉など、秀作揃い。
2020/05/24
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