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伊兼源太郎

職業・肩書き
作家
ふりがな
いがね・げんたろう

「伊兼源太郎」のおすすめ記事・レビュー

  • レビュー・書評

「それでも人間か」事件報道は他人の不幸を娯楽にするだけ? 事件記者が見出す答えは――

「それでも人間か」事件報道は他人の不幸を娯楽にするだけ? 事件記者が見出す答えは――

『事件持ち』(伊兼源太郎/KADOKAWA)

『地検のS』『巨悪』『ブラックリスト』など、骨太な社会派ミステリーで知られる作家・伊兼源太郎の最新刊『事件持ち』(KADOKAWA)は、千葉県北西部で発生した連続殺人事件を追う若い新聞記者と県警捜査一課の刑事、ふたりを主人公にした長編作品だ。

“事件持ち”とは、自分の持ち場でやたらと大きな事件が発生する記者を表す新聞業界用語。報日新聞入社2年目の永尾哲平は、周囲からそんな“事件持ち”だといわれている事件記者だ。この物語は、永尾が“署回り”で千葉県警津田沼署に詰めていたときに、谷津干潟で他殺体が発見されるところから始まる。3日前にはその現場から直線距離で1キロと離れていない船橋でも殺人事件が起きていた。両事件とも殺害手口はロープ状のものによる絞殺。遺体の手の指が切断されているという奇妙な共通点があり、さらにふたりの被害者は小中学校の同級生であることも判明。千葉県警は同一犯による連続殺人事件として合同捜査本部を設置する。

 永尾は谷津干潟の現場近くで近隣住民への取材を進めていたときに、偶然、被害者たちと同級生…

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東京地検特捜部が現代の日本社会に蝕む“悪”と対峙! 伊兼源太郎の最新検察ミステリー『巨悪』

東京地検特捜部が現代の日本社会に蝕む“悪”と対峙! 伊兼源太郎の最新検察ミステリー『巨悪』

『巨悪』(伊兼源太郎/講談社)

 今年2月に刊行された『地検のS』では地方検察庁を舞台に正義のあり方を問うたミステリー作家・伊兼源太郎。この前作に続いて6月に刊行された最新刊『巨悪』(講談社)もまた検察が題材になっている。今度は東京地検特捜部が、タイトルの通り現代の日本社会に巣食う“巨悪”の存在に迫る骨太で重厚な検察ミステリーだ。

 地検特捜部は、一般の捜査では核心に迫れないような政財界を巻き込む不正や汚職、脱税といった大型経済事件を専門に捜査を担う、いわば“検察庁の精鋭部隊”。ロッキード事件やリクルート事件、東京佐川急便事件など世間を騒がせた大事件を手がけてきたことで、“最強の捜査機関”とも呼ばれていたが、昨今は証拠の改竄や杜撰な取り調べなどの不祥事が明るみに出たことで、その権威は地に落ち、特捜解体論が取り沙汰されることまである。それでも、森友学園問題、リニア談合、神戸製鋼製品データ改竄問題など、東京地検特捜部、大阪地検特捜部が手がける事案は今も大きく報道されている。

 物語の主人公となるのは、そんな東京地検特捜部の特捜検事・中澤源吾と機動捜査班…

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「伊兼源太郎」の本・小説

法廷ミステリーアンソロジー 逆転の切り札 (朝日文庫)

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作家
阿津川辰海
伊兼源太郎
大門剛明
丸山正樹
横山秀夫
西上心太
出版社
朝日新聞出版
発売日
2022-06-07
ISBN
9784022650474
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事件持ち (角川文庫)

事件持ち (角川文庫)

作家
伊兼源太郎
出版社
KADOKAWA
発売日
2023-08-24
ISBN
9784041138670
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