映画界ですらこの男を止められない! 江頭2:50が話題作も名作もぶった斬る!
『江頭2:50のパニック・イン・エィガ館』(洋泉社)
あまり知られていないが、江頭2:50は芸能界きってのシネフィル(映画通)である。ラジオ番組では映画批評コーナーを持ち、映画本を出版した経験もある。最新作から名作に至るまで鑑賞範囲も広い。映画を語らせたら芸能界の中でもかなり上位の知識量と批評眼を持っているといえるだろう。
そんな江頭2:50の『映画秘宝』誌で行ってきた、最新公開作の感想を語る連載をまとめ、書き下ろしを加えた一冊が『江頭2:50のパニック・イン・エィガ館』(洋泉社)である。シネフィルらしい深い洞察力と型破り芸人らしいぶっちゃけが同居する映画論の枠を超えた文章に戦慄すること間違いなしだ。
テレビ界に数々の伝説を残してきた江頭2:50だけあって、目次のタイトルが既に尋常ではない。「エィガで知る北朝鮮」で取り上げられるのは北朝鮮の諸問題をテーマにした社会派作品群だが、北朝鮮に渡った経験もある江頭の感想は説得力がありすぎる。たとえば『クロッシング』を観ると過去、北朝鮮で学生相手に体を張って笑いを取った経験を思い出しながら、「イイ気になって…