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小手鞠るい

職業・肩書き
作家
ふりがな
こでまり・るい

プロフィール

最終更新 : 2019-11-18

1956年、岡山県生まれ。同志社大学の法学部を卒業。出版社や学習塾、書店などで勤務したのち、フリーライターに転身。働きながら詩の創作や小説の執筆を行い、新人賞などへの応募を続けた。実名の“川滝かおり”にて、1981年に「第7回 詩とメルヘン賞」の年間賞を受賞し詩人デビュー。1982年に処女詩集『愛する人にうたいたい』(サンリオ)が発売。1992年にアメリカのニューヨーク州に移住し結婚。1993年に『おとぎ話』で「第12回 海燕新人文学賞」を受賞し、小説家デビュー。1995年に受賞作を含む小説集『玉手箱』(ベネッセコーポレーション)が発売。1998年に、慣れないアメリカでの暮らしと猫について綴ったエッセイ『ノルウェーの森の猫 ―猫と暮らすアメリカ』(出窓社)が発売。

2004年発売の『欲しいのは、あなただけ』(新潮社)が、翌年「第12回 島清恋愛文学賞」を受賞。2006年発売の『エンキョリレンアイ』(世界文化社)が20万部を突破しベストセラーに。同作品と、2007年発売の『サンカクカンケイ』(世界文化社)、2008年発売の『レンアイケッコン』(世界文化社)は、恋愛小説三部作として親しまれる。2008年発売の絵本『ルウとリンデン 旅とおるすばん』(絵:北見葉胡 講談社)が、翌年「ボローニャ国際児童図書賞」を受賞。2012年発売の『くろくまレストランのひみつ』(絵:土田義晴 金の星社)で始まる「森のとしょかんシリーズ」や、2016年発売の『いつも心の中に』(金の星社)など児童書も多数執筆。2014年発売の『アップルソング』(ポプラ社)が、2017年にNHKのラジオ第1にてラジオドラマ化。2014年よりWEBサイト「大人すはだ」にてコラム「NYの森からきれいに私生活」を連載。2015年にTwitter開設。

著作にはほかに『ウッドストック森の生活』(出窓社)、『あなたとわたしの物語』(徳間書店)、『愛を海に還して』(河出書房新社)、『空と海のであう場所』(ポプラ社)、『ふれていたい』(求龍堂)、『好き、だからこそ』(新潮社)、『恋するからだ』(徳間書店)、『Wish』(河出書房新社)、『愛しの猫プリン』(ポプラ社)、『九死一生』(小学館)、『いちばん近くて遠い』(PHP研究所)、『美しい心臓』(新潮社)、『君が笑えば』(中央公論新社)、『テルアビブの犬』(文藝春秋)、『星ちりばめたる旗』(ポプラ社)、『優しいライオン やなせたかし先生からの贈り物』(講談社)、『瞳のなかの幸福』(文藝春秋)、『空から森が降ってくる』(平凡社)など多数。

「小手鞠るい」のおすすめ記事・レビュー

「わたしはもっと不幸になりたかったのです」――太宰治『人間失格』を下敷きに小手鞠るいが描く、絶望を貪り尽くす女の物語

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「女性であることに対する、言い知れない不安と恐怖」を抱えていた葉湖(ようこ)は、幼少時、両親を嫌悪しつつも生きるために嫌われることを恐れた。目立たない存在でありたいと、あえて醜い容姿で世間を欺きながらも、自意識、プライド、自己顕示欲に苛まれた高校時代。ある出会いからの性欲の開花。大学に進学し、家を出た葉湖はアルバイト先のスナックで好きでもない男たちと性的な共犯関係を結ぶ。その後、本当に好きになった男からプロポーズを受けるのだが――。

恋愛小説、児童文学の作家として知られる小手鞠るいさんの最新作『女性失格』。太宰治のロングセラー『人間失格』のパスティーシュ(※)として書かれた本作だが、2022年のいま『女性失格』というタイトルを目の当たりにすると、著者の他の意図も想像できる。アメリカ在住の小手鞠さんにメールインタビューで『女性失格』について訊いた。

(取材・文=konami 撮影=内海裕之) (※)他の作家の作品から借用されたイメージやモティーフ等を使って作られた作品。作風の模倣。 小説の技法のひとつ。

何もかも【そっくりなのに、まったく違う】とい…

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日本語にしか表現しえない「せつなさ」のたゆたう物語――最新刊『星ちりばめたる旗』小手鞠るいインタビュ-

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『星ちりばめたる旗』(ポプラ社)

――本作は、幹三郎と佳乃が語る過去と、2人の孫であるジュンコが語る現在が交錯しながら進んでいきます。ジュンコは、どのように生まれたんですか。

小手鞠るい(以下、小手鞠) 過去と未来を繋ぎ、物語を大きく引っ張っていく人物として、幹三郎と佳乃と同じくらい初期から思いついてはいましたね。けれど、当時の資料をひもときながら造形していった2人とちがって、日系三世にあたるジュンコは、生まれも育ちも現代に生きるアメリカ人。離婚してシングルマザーとして働く姿も含め、私の周囲にも多いタイプなので、わりと書きやすかったです。

――娘たちには完璧なアメリカ人であることを望んだ母の望みに反し、日本人になりたいと切望していたジュンコは、自分だけが母に愛されていないという葛藤を抱えます。2人の確執も、物語を読み進めるためのひとつの鍵ですね。

小手鞠 私自身が、母親からの無償の愛というものにやや懐疑的なところがあるんですよね。もちろん母というのは素晴らしい存在だと思いますが、すべての母がすべての子どもに無条件で愛を抱くのならば、虐待なんて起こるはず…

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日本人であることが罪になる時代――人種差別の歴史を描き、現在に警鐘をならす小手鞠るいの最新刊『星ちりばめたる旗』

日本人であることが罪になる時代――人種差別の歴史を描き、現在に警鐘をならす小手鞠るいの最新刊『星ちりばめたる旗』

『星ちりばめたる旗』(ポプラ社)

 「日本人であることが、罪になる」。そんな衝撃的な文句が帯を飾る本作『星ちりばめたる旗』(ポプラ社)は、1900年代にアメリカへわたった日本人移民・幹三郎と、その妻・佳乃(かの)が端をなす家族三世代の物語だ。まだ人種差別の根強かった時代、真珠湾攻撃によって日米関係に決定的な亀裂が入ったアメリカで、迫害を受けながらも家族はどう生き抜いていったのか。私たちの「今」に決して無関係ではない戦争と人種差別に、著者・小手鞠るいさんは何を想い本作を描いたのか。お話をうかがった。

■人種差別を受けながら、アメリカで生きるしかなかった夫婦の物語

――まずは、本作を書こうと思ったきっかけから教えていただけますか。

小手鞠るい(以下、小手鞠) 戦後の激動を描いた前作『アップルソング』に繋がるものを書きたいと思ったとき、編集者に「日本人移民をテーマにしてはどうか」と提案されたんですよ。確かに、中国系移民を描いた『ワイルド・スワン』や『ジョイ・ラック・クラブ』、アイリッシュ系を描いた『アンジェラの灰』などはあるけれど、日本人移民を描いた作品…

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注目の新刊 『美しい心臓』 ダ・ヴィンチ2013年8月号

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願っていたのは、死だった。あの人が死ねば、死んでこの世からいなくなってしまえば。そう願うほど、好きだった。行き着く先は、行き止まり。未来のない恋に溺れ、狂おしいほどの切なさと欲望に囚われた“わたし”が最後に願うことは……。大人のための恋愛小説。

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注目の新刊 『九死一生』 ダ・ヴィンチ2013年4月号

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愛猫を亡くし、深い悲しみから抜け出すことができないニューヨーク在住の冴子と悠紀夫。二人の人生の節目には、いつも猫との出会いがあった――。喪失と再生、そして愛というテーマをとことん掘り下げた著者の集大成的傑作。生きとし生けるものへの愛の物語。

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注目の新刊 『誰もいない』 ダ・ヴィンチ2013年1月号

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家族ある男を愛し、一緒に暮らしている杏子。そして、病身の妻を持つ男を待ち続けるみずき。愛に殉ずる過激な日々は、二人を静かに狂わせていく。そして、衝撃の結末が訪れて――。恋愛小説の名手が、道ならぬ恋に身をやつす女たちの孤独と強烈な官能を描く。

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注目の新刊 『空中都市』 ダ・ヴィンチ2012年4月号

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旅先のニューヨークで母が姿を消し、15歳の晴海は戸惑う。「高校へ行かない」と言い張る自分への怒りの表明なのか? しかし晴海の胸には、高校に行きたくない理由があった。一方、母にも10代にまでさかのぼるある秘密が……。前向き度100パーセントの母と娘の物語。

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「小手鞠るい」の本・小説

きみの声を聞かせて

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作家
小手鞠るい
出版社
偕成社
発売日
2016-10-19
ISBN
9784036431601
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サステナブル・ビーチ

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作家
小手鞠るい
カシワイ
出版社
さ・え・ら書房
発売日
2021-04-13
ISBN
9784378015576
作品情報を見る
未来地図

未来地図

作家
小手鞠るい
出版社
原書房
発売日
2023-10-02
ISBN
9784562073009
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卒業旅行

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作家
小手鞠るい
出版社
偕成社
発売日
2020-11-09
ISBN
9784036432202
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心の森

心の森

作家
小手鞠るい
酒井駒子
出版社
金の星社
発売日
2011-12-07
ISBN
9784323063317
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答えは旅の中にある

答えは旅の中にある

作家
小手鞠るい
出版社
あすなろ書房
発売日
2024-01-12
ISBN
9784751531785
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天使の子

天使の子

作家
小手鞠るい
出版社
河出書房新社
発売日
2014-01-22
ISBN
9784309022482
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ある晴れた夏の朝

ある晴れた夏の朝

作家
小手鞠るい
出版社
偕成社
発売日
2018-07-13
ISBN
9784036432004
作品情報を見る

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