『何者』の朝井リョウが描く“世にも奇妙な物語”——最後のどんでん返しを刮目せよ!
誰もが知る国民的番組『世にも奇妙な物語』は、最後にゾクッとするオチが付くホラーやミステリーが多く、どちらかといえば“非現実的な”物語である。だから、朝井リョウが『世にも奇妙な物語』を書くと聞いたときには、正直あまりピンとこなかった。彼の描く…
誰もが知る国民的番組『世にも奇妙な物語』は、最後にゾクッとするオチが付くホラーやミステリーが多く、どちらかといえば“非現実的な”物語である。だから、朝井リョウが『世にも奇妙な物語』を書くと聞いたときには、正直あまりピンとこなかった。彼の描く…
平成生まれ初の直木賞作家・朝井リョウが、アイドルを題材に書き上げた長編小説『武道館(文春文庫)』(文藝春秋)。架空の女性アイドルグループ「NEXT YOU」が武道館ライブを目指しステップアップしていくさまを、青春群像ストーリーとして描き出す――。そ…
女というものはめんどくさい生き物だ。一見、仲良さそうな友達同士でも、裏では牽制しあったり、相手に勝手に優越感を得ていたり……そんな一筋縄ではいかない女同士のドロドロを注目の若手男性作家が描くと聞き、興味津々。実は女というのは、こういう女のド…
扉を開くと、登場人物紹介欄がある。いや、ちょっと待て。よくある登場人物紹介とは、なんだか見た目が違う。四角い絵だの写真だのの横に名前と、@のついたアルファベット。自己紹介めいた文言と、中にはサイトのアドレスが載っている人も。……そう、これは…
尾崎豊の『卒業』が少年の卒業を描いた傑作ならば、朝井リョウの本作品は少女の卒業を描いた傑作に違いない。歌のように、すっと入ってくる美しいこの短編集の少女達は心に強い決意を秘めている。少年のような荒々しさはないが、少女たちは繊細なようで意外…
前もってお断りしておきますが、私は中高大と体育会でした! なので、こういう小説には目をつぶって5を連発してしまいます。タイトルの奇抜さから購入した1冊。この勢いのあるタイトルは、前作『桐島、部活やめるってよ』に共通した爽快感というか、さらっと…
イジらずにはいられないタイトルだ。ツイッターはさながら桐島大喜利の様相を呈し、中でも私のお気に入りは「霧島、相撲やめるってよ」なんだが、トシがばれますね。いずれにせよセカチュー以来の、10年に1度レベルのイジられタイトルなのは間違いないが、実…
7月5日、第147回直木賞の候補作が発表された。そうそうたる顔ぶれの中で目を引くのが、23歳1カ月で候補になった朝井リョウだ。『桐島、部活やめるってよ』(集英社)での鮮烈なデビューから2年半、4作目の本書で候補入り。もしも受賞ということになれば、第1…