腸を整える最高の栄養素「レジスタントスターチ」って、こんなにすごい!/腸を整えたければバナナを食べたほうがいいこれだけの理由

健康・美容

公開日:2022/10/25

 日々のストレスや生活習慣の乱れから、 下痢や便秘など「腸の不調」を感じる方が増えているようです。

 今回ご紹介する『腸を整えたければバナナを食べたほうがいいこれだけの理由』では、医師で‟腸のスペシャリスト”の小林弘幸さんが、手軽でどんなに忙しくても続けられる、1日2本のバナナを使った「バナナ腸活」をわかりやすく解説しています。

 バナナには、食物繊維にフラクトオリゴ糖など、腸にいい栄養素がせいぞろい! 腸を整えて、身も心も健康に過ごしましょう。

 腸活の中でも取り組みやすい食生活の改善。最近、注目されている「レジスタントスターチ」は、バナナに多く含まれています。その効果とは?

※本作品は小林弘幸著の書籍『腸を整えたければバナナを食べたほうがいいこれだけの理由』から一部抜粋・編集しました

※本書で紹介している内容は、効果に個人差があります。ご理解の上、お読みください。

腸を整えたければバナナを食べたほうがいいこれだけの理由 医師も実践している本気の腸活
『腸を整えたければバナナを食べたほうがいいこれだけの理由 医師も実践している本気の腸活』(小林弘幸/アスコム)

腸を整える最高の栄養素、ハイパー食物繊維「レジスタントスターチ」

 次に、腸を整えて元気にするために気をつけることの2つ目、食事に関してです。

 食事のほうが新しい習慣をはじめるわけではなく、食生活を見直すだけなので、取り組みやすいかもしれません。

「善玉菌が含まれているヨーグルトなどの発酵食品を食べて腸内環境を整えて、腸を元気に!」といった内容の言葉を耳にしたことはないでしょうか。

 腸内には、さまざまな種類の腸内細菌がすんでおり、その数は100兆個、重さにすれば1.5㎏ほどあるといわれています。

 腸内細菌の中でも、腸内の悪い菌の増殖を抑えるなど、腸を含めた体にいい成分を作り出す「発酵」を行うものを善玉菌、逆に水素やアンモニアといった体に悪い成分を作り出し「腐敗」を起こす菌を悪玉菌と総称しています。

 乳酸菌や麹菌などの善玉菌を含む、ヨーグルト、みそ、納豆、ぬか漬けやキムチ、酢や甘酒、チーズといった発酵食品を食べて、腸内の善玉菌を増やすという食事法があります。

 個人個人によって腸にいい発酵食品は違うというのが定説です。

 多様性が豊かな社会を生むといいますが、それは腸の世界でも同じで、どれか1つを食べ続ければいいというわけでもなく、自分の体調の変化を気にしながら、自分に合う、2種類ぐらいの発酵食品を食べるのがよいでしょう。

 ただし、食事によって取り込んだ善玉菌が、腸ですぐに元気に活動しはじめるかというと、どうも話はそう単純ではないようです。

 腸内では、腸内細菌たちがともに助け合い共生しながらも、同時に激しい生存競争が日夜繰り広げられています。古参の菌たちが幅をきかせている中で、新参者の菌が生存するのは難しく、なかなかすみつくことができないので、定期的に善玉菌を摂取して腸に送り込むことが大切だということがわかってきています。

 同時に目を向けたいのが、なかなか新しい善玉菌が定着しにくいのであれば、腸の中にすでにすんでいる善玉菌を元気にして、増殖させていく方法です。

 腸の中にいる善玉菌を元気にするには、次の2つのことが大切です。

・腸を善玉菌が居心地のいい環境にする
・エサとなるものを与えて元気にする

 おいしいものを食べて、快適な空間で働ければ、元気になる。人間と同じですね。

 そして、この2つを実現するために役立つのが食物繊維です。

 食物繊維は、人の消化酵素で消化されない成分です。

 つまり、腸に直接作用してくれます。

 食物繊維は、水に溶けるか溶けないかで、2種類に分けられるのが一般的です。

 腸内を善玉菌の居心地のいい環境にしてくれるのが、水に溶けない「不溶性食物繊維」です。

 善玉菌にとって居心地のよい快適な空間というのが、便がたまっていない環境です。

 便がたまってしまうと、便がエサとなって悪玉菌が増え、善玉菌にとって居心地の悪い環境になってしまいます。

 

 不溶性食物繊維は、水分などを吸収する性質を持っており、

・水分や老廃物などを吸着して、便のかさを増やす
・腸を刺激して蠕動運動を活発化し、排便を促す

 といった2つの効果があります。

 つまり、便を排除し、腸を善玉菌にとってすみ心地のよい環境にしてくれるのです。

 不溶性食物繊維は、にんじんやごぼうといった根菜類、小麦、ライ麦といった穀類、ほうれん草、レタスといった葉物の野菜、枝豆などの豆類、きのこなどに含まれています。

 そして、善玉菌のエサとなるのが、もう1つの食物繊維「水溶性食物繊維」です。

 水溶性食物繊維は、昆布、わかめ、こんにゃく、里いもなど、ネバネバ、ヌルヌルしたものやごぼうなどに多く含まれています。

 水に溶けるとどろどろのジェル状に変化し、善玉菌のエサになるだけでなく、便をやわらかくして出やすい状態にもしてくれます。

 先ほど、発酵して、腸を含めた体にいい物質を生み出すのが善玉菌と説明しましたが、ほとんどの水溶性食物繊維が、そのいい物質を生み出すための善玉菌のエサとなります。

 最近では、このような善玉菌のエサとなる食物繊維を「発酵性食物繊維」とも呼ぶようになっています。

 つまり、「この2種類の食物繊維を摂取するということが大切」ということなのですが、そのほか、最近、注目を集めているのが「レジスタントスターチ」です。

 レジスタントスターチは、「消化されない(レジスタント)」「でんぷん(スターチ)」という意味で、その名の通り、食物繊維と同様、消化されずに大腸まで届いて作用してくれます。

 そのすごさは、「不溶性と水溶性(発酵性)、2つの食物繊維の機能を兼ね備えている」ところです。

 善玉菌がすみやすいように腸をきれいにし、なおかつエサとなり元気にさせる、まさに「腸活の二刀流」といった働きをみせてくれます。

 その効果から、食物繊維を超越しているという意味合いを込めて「ハイパー食物繊維」という異名を持っています。

 レジスタントスターチは、大麦などの穀類、さつまいも、じゃがいもなどのいも類、米にも多く含まれています。

腸を整えたければバナナを食べたほうがいいこれだけの理由 医師も実践している本気の腸活

1 善玉菌のエサになる
2 便のかさを増して蠕動運動を促進

レジスタントスターチは「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2つの特徴をあわせ持つ“二刀流の強者”。善玉菌のエサになりつつ、水分を吸収して膨らむことで便のかさを増やし、腸の蠕動運動を促してお通じをよくしてくれる腸にとってのスーパーヒーローです。

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