ビーガンの8割は疲れやすい? ビタミンB12の不足は、疲労感やうつ病、認知症の発症が懸念される/最強脳のつくり方大全⑥

健康・美容

公開日:2024/4/9

最強脳のつくり方大全』(ジェームズ・グッドウィン:著、森嶋マリ:翻訳/文藝春秋)第6回【全8回】

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最強脳のつくり方大全
『最強脳のつくり方大全』(ジェームズ・グッドウィン:著、森嶋マリ:翻訳/文藝春秋)

ビーガンの8割が疲れやすい理由

 欧米諸国では、ビタミンB12の値は低い傾向にあり、それは由々しき問題だ。なぜなら、ビタミンB12は健康全般に影響を及ぼし、さらに、健康な脳のためにも不可欠だからだ。

 ビタミンB12は細胞内で補酵素として働き、DNAやミエリン(神経線維を覆う脂肪質の鞘)の生成など、重要な化学反応に一役買っている。ゆえに、脳の処理速度を上げるためにも欠かせない。ビタミンB12不足の主な理由のひとつに、健康的と考えられている食事(菜食主義)がある。科学的な研究で、完全菜食主義者(ビーガン)の80%はビタミンB12が不足しているという結果が出ている。極めて重要なこの栄養素が不足するとどうなるのか?

 それについては、シカゴのセントジョセフ病院を受診したビタミンB12不足の患者の症例がわかりやすい。〝52歳の男性が外来診療を受診して、ここ2週間、疲労感が取れず、体が弱っていると訴えた。疲労感に加え、作業をすると息切れがして、ここ4〜5日はよく頭痛がすると言う。外見的には、患者は痩せていて、顔色が悪かった〟とのことだ(注1)。

 

 ビタミンB12が少し不足するだけで、疲労感、頭のもやもや、気分の落ちこみが起こり、そこからうつ病を発症することもある。慢性的に不足すると、認知症を引き起こし、さらには、脳が恒久的なダメージを受けかねない。ビタミンB12不足の症状としては、短期記憶障害をはじめ、人や場所の認識、適切な言葉、問題解決、簡単な作業の計画と実行、判断力、気分や行動の制御などに支障が出る。

 

 英国政府によるビタミンB12の推奨摂取量は、19歳以上は1日1.5㎍となっている。

 世界的に見てこれはもっとも低い値で、ほかの国の推奨摂取量はもっと多い。米国とカナダでは2.4㎍、ヨーロッパでは4㎍だ。

 卵、肉、レバー、魚介類など、さまざまな動物性の食物に、ビタミンB12は豊富に含まれている。

 

 たとえば、レバーを113グラム食べれば、英国の推奨摂取量の約6000%となる。一方、基本的に植物はビタミンB12を生成しない。いくつかの植物(キノコや藻類の一部)はわずかに生成するが、自然の状態では、そういった植物から安全に充分なビタミンB12を摂るのは不可能だ。とはいえ、食事だけではビタミンB12が不足すると決まっているわけではない。さまざまな摂取物でビタミンB12は強化され、サプリメントも充実している。

 マーマイトの酵母エキスもそのひとつだ。ヨーク大学の研究では、1日小さじ1杯のマーマイトを1か月間食べつづけると、視覚パターンに対する脳の反応が30%向上するとのことだ。

 だが、問題はビタミンB12の摂取量だけではない。胃が生成する内因子という特別なタンパク質が、ビタミンB12の吸収に重要な役目を果たす。内因子の不足は、ビタミンB12欠乏性貧血の原因の筆頭だ。また、内因子不足の原因は、バイパス手術、クローン病やセリアック病などの自己免疫疾患、老化、HIV感染、家族歴などがある。

 

注1 Suartcha Prueksaritanond et al., ‘A puzzle of hemolytic anemia, iron and Vitamin B12 deficiencies in a 52-year-old male’, Case Reports in Hematology, Vol. 2013, art. ID 708489.

<第7回に続く>

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