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なぎさ (単行本)

なぎさ (単行本)

なぎさ (単行本)

作家
山本文緒
出版社
角川書店
発売日
2013-10-19
ISBN
9784041105788
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なぎさ (単行本) / 感想・レビュー

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ミカママ

ああぁ、やっぱり山本文緒さんだ。頭のてっぺんから足の先まで、わたしの感性にしっくりくる。メンドくさい「家族」、否が応でも生活の大半を占める「仕事」、誰を信じていいのかわからない「他人」。ヒトっていろんなものに囲まれて生きている。たまには寄り添って、それでも冷たく突き放して。ハッピーエンドとはいえないラストだけれども、わたしにはいろんな意味で希望の持てる作品だった。さぁ、これで今週も頑張れるぞ。

2018/11/05

ナイスネイチャ

図書館本。平凡に暮らしているように見える夫婦や若者の打ち明けられない悩みを綴ってます、後半まで。家族だからこそ言えない痛み。それを乗り越えてあの老夫婦のような優しさが生まれるのかなと。最後は癒やしと希望がある終わり方で良かったです。

2015/01/03

シナモン

山本文緒さん初読み。突然転がり込んできた妹にすっかりペースを乱されるのに強く言えない姉冬乃。せっかく開店にこぎ着けたカフェをたった3ヶ月で売り渡すという妹菫。ブラック会社を辞められない夫佐々井。その場しのぎで楽ばかり考える佐々井の部下川崎。どうしようもない冬乃、菫の両親。それぞれじれったいし、憎らしいし、腹立たしい。でもそこから何かが生まれることもあるんだよな。だからこそ人との関わりは大切なんだろう。めんどくさいけど。登場人物の感情の移り変わりが丁寧に鋭く描かれ、引き込まれました。

2020/09/22

kishikan

山本さんは初読み。本屋を覗いていたら、かもめが飛ぶ美しい海の風景の表紙に見せられつい購入。そしたらサイン本でした。親子間、夫婦間、友人関係、会社関係の全てどこか傷があったり、すれ違いの関係に、読んでいて胸がつまってしまう。人生うまく回っている人もいれば、負のスパイラルから抜け出せない人もいる。それでもハッピーエンドで終わるのが「癒しの本」の世界だけど、この作品ではプチ幸せの光明しか見出せない。きっとそういう辛い人生を送る人達もいるんだろうなぁ。と思わせる作者の力量に感服。舞台が京急久里浜というのも珍しい。

2015/01/30

Yunemo

夫婦ってこんなものなのだろうな、との想いがまず頭に浮かび上がって読了。互いに相手を思いながら、言葉で表現できずに悶々として長年暮らしてしまう関係。同じ悩み、過ちを繰り返しながら。夫婦がいて、親がいて、姉妹がいて、部下がいて、関係薄い人たちがいて、そしてご近所さんがいて。普通にあり得る関係なのに、妙に自身の気持の中に沁みわたってくる、そんな感じを著者に表現され、戸惑いの気持で一杯。けっして強く訴えている訳ではないのに、何故? 人間模様の不可思議さを目の当たりにする、そんな感じなのでしょうね。

2014/01/09

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