【2023年本屋大賞発表会レポート】自分の人生をつかもうとあがくふたり…凪良ゆう『汝、星のごとく』が大賞作に
2023年4月12日、全国書店員たちが“いちばん売りたい本”を選ぶ「2023年本屋大賞」発表会が行われ、凪良ゆうさんの『汝、星のごとく』(講談社)が大賞を受賞した。同賞は新刊書店に勤務するすべての書店員が投票資格を有し、その投票結果のみで大賞が決定する文学賞で、今年は記念すべき20回目。4年ぶりに入場制限なしで行われた今年の本屋大賞発表会では、全国から駆けつけた書店員、作家、出版関係者が集い、談笑し合う光景が復活。本を愛し、本に関わる人たちの熱気あふれる発表会の模様をレポートする。
(取材・文=アサトーミナミ)
【大賞作】『汝、星のごとく』——自分の人生をつかもうとあがくふたりの物語
『汝、星のごとく』(凪良ゆう/講談社)
凪良ゆうさんの『汝、星のごとく』は、自然豊かな瀬戸内の島で育った高校生・暁海と、自由奔放な母の恋愛に振り回され、島へと転校してきた櫂の15年間にも及ぶ物語だ。17歳だった少年少女は惹かれ合い、すれ違い、そして、成長していく。途方もない痛みを抱えながら、それでも自分の人生をつかもうとあがくふたり。この物語で丁寧に描き出されていく…