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私的読食録 (新潮文庫)

私的読食録 (新潮文庫)

私的読食録 (新潮文庫)

作家
堀江敏幸
角田光代
出版社
新潮社
発売日
2020-11-30
ISBN
9784101294780
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ジャンル

私的読食録 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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KAZOO

単行本でも読んでいるのですが、文庫になって再読です。100冊の本を紹介してさらに今回は文庫化記念の対談もあります。やはり読んでいない本がまだまだ多くあるのでこの中からでも少しづつ読もうかと思っています。

2020/12/07

ユメ

堀江敏幸さんと角田光代さん、2人の作家が書物に登場する「食」についてとことん語り尽くす。物語の作中の「食べる」という行為は、登場人物の感情と分かちがたく結びついている。本の中における食卓の光景は、そこに居合わせる者の喜怒哀楽を生々しく浮き上がらせては、読み手に親近感を抱かせたり、あるいは断絶を感じさせたりする。角田さんの「読むことでしか食べられない」という言葉は至言だ。海外の児童文学に出てくる馴染みのない食べ物を、私も確かに読みながら「食べていた」。つくづく、読書とは豊かな体験であると感じ入る。

2021/02/14

Shun

物語に登場する”食べ物”をテーマに、二人の作家(堀江敏幸×角田光代)の思い出や読んで味わい感じたエピソードを披露する読食エッセイ。一通り読んでみると、言及されているように食べ物についての描写は女性作家に多いようです。また日本人に関して言えば、戦前や戦後は男が食べ物に頓着するのは恥ずべきと言う風潮が小説にも表れていて面白く、しかし「〇〇を食べた」より詳細な描写がない小説でもお二人は想像を逞しくそこから味を読み取り語っていてすごいと思う。まさに「読むことでしか食べられない」ものが本の中に広げられているようだ。

2021/01/13

瀧ながれ

食べ物に注目して本を紹介する。「小説の中の食べ物」であって「食べ物をテーマにした小説」ではないので、詳しい描写はされてなかったり、味については書かれてなかったり、いっそマズそうだったりすることもあって、食をたいせつに描く作家があれば、あんまり興味がない作家もいるのだなあと、あたりまえのことを思った。知ってる作品もタイトルすら知らない作品も当然あるのだけど、ハッと目を引いたのが「小公女」の章。「サアラが甘パンを買う場面」という文で、その状況が鮮やかに記憶によみがえった。舌ではなく、活字で味わう食の記憶だ。

2021/01/06

小太郎

雑誌「dancyu」に連載していた食にまつわる本の紹介。古今東西の名著のなかの食に関したエッセイなんと100回分が載っています。大変短い文章なのですが二人の独特の感性が感じられて飽きません。「本を読むことでしか食べられないもの」がこんなに多岐にわたって書けるのも角田光代、堀江敏幸氏ならではと思いました。特に武田百合子「富士日記」東海林さだお「タケノコの丸かじり」あたりは凄い!

2021/05/30

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