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道元禅師〈上〉 (新潮文庫)

道元禅師〈上〉 (新潮文庫)

道元禅師〈上〉 (新潮文庫)

作家
立松和平
出版社
新潮社
発売日
2010-06-29
ISBN
9784101342030
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道元禅師〈上〉 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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榊原 香織

上中下の上 時代的には北方水滸伝の後半、または鎌倉殿の13人の後半  南宋にわたるところが割と面白い。夢枕獏だったら活劇調にするだろーに

2022/05/05

Akihiro Nishio

道元の生前から宋へ渡るまでの物語。幼少期であるため内面を描くのが難しいためか世話係を語り部として進行する。そのため文体が非常にくどいのだが、ラスト数ページというところで、世話係が一緒に行けなくなる場所に入ったところで突然文体が変わる。今後は読みやすくなるだろう。また同様の理由で、道元よりも周囲の政治的状況の描写が多いのだが、これはこれで面白い。しかし、道元は他の宗派の開祖と比べて圧倒的に恵まれたポジションからのスタートだなと思った。そのことで苦労もしているが。

2016/01/04

田中峰和

五木寛之が親鸞を冒険小説風に描いたのに比べると、立松和平は道元を史実から切り取って淡々と描く。母の伊子は摂関家藤原元房の娘。父の策略で木曽義仲に嫁ぐが、粟津の戦いで義仲が討ち死にし未亡人となる。義仲の正室から歌人源通親の側室となり生まれたのが道元。同じ貴族の出でも親鸞よりはるかに名門の出身だけに資料も多いため、五木の親鸞ほど自由に描けない。語り手が道元の生誕時より侍者だった右門なので、道元に対してあまりにへりくだる語り口がうんざりさせる。対馬への配流前の文覚上人に道元が問う、生老病死は演出過剰だろう。

2017/02/14

しょうゆ

曹洞宗の歴史、禅の理解のために読み始めたが、色々と発見があって面白い。鎌倉時代という歴史の転換点で法然や栄西と言った、宗教上のビッグネームがバンバン出てきたのも面白い。そして源氏と平氏の戦い以上に、どす黒い頼朝以後の時代にびびった。北条家汚すぎ。人間は権力に狂う。だからこそ、道元の静謐がより魅力的に見えた

2021/04/26

水戸

【修行道場は日々の暮らしの場のいたるところにある。】まず、文体に慣れるのに数頁、要しました。客観的視点と、中心となる道元禅師の事柄と、取り巻く時代の流れや人々の事が、細かに描かれています。対話の部分が面白い。少しずつ、見解や見識が深まり広まり、かと思うと原点のようなものに立ち返ったり。釈迦の逸話や思想の説明などが盛りだくさんで、説法を聞いているような気分にもなったりします。次はどんなさとりについての見識が披露されるのか……と、とある人物の素朴な言葉が気になりつつ読了。

2015/10/21

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