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武道館 (文春文庫 あ 68-2)

武道館 (文春文庫 あ 68-2)

武道館 (文春文庫 あ 68-2)

作家
朝井リョウ
出版社
文藝春秋
発売日
2018-03-09
ISBN
9784167910280
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「武道館 (文春文庫 あ 68-2)」のおすすめレビュー

つんく♂ 絶賛! 誰も観察者のままではいられない、朝井流社会派エンタメの傑作『武道館』が文庫化!

『武道館(文春文庫)』(朝井リョウ/文藝春秋)

 平成生まれ初の直木賞作家・朝井リョウが、アイドルを題材に書き上げた長編小説『武道館(文春文庫)』(文藝春秋)。架空の女性アイドルグループ「NEXT YOU」が武道館ライブを目指しステップアップしていくさまを、青春群像ストーリーとして描き出す――。その過程で、「恋愛禁止」「スルースキル」「握手会商法」「煽り耐性」など、現代アイドルの誕生と共に生まれてきた言葉の特殊性が記述され、彼女達が背負わされているものの社会的意味を探っていく。朝井流「社会派エンタメ」が本格始動することとなった、転換点となる傑作だ。

 単行本刊行から9ヶ月半で連続ドラマ化され、文芸読者のみならず、現役アイドルやアイドルオタク達の間でも話題沸騰となった本作が、この春文庫化された。巻末の解説を寄稿したのは、「モーニング娘。」および「ハロー!プロジェクト」の総合プロデュースを長らく務めてきた、つんく♂だ(ドラマ版『武道館』では主題歌の作詞作曲を担当)。解説はこれぞ本作の真髄、と感じられる指摘ばかり。例えば――。

『武道館』では、単身のアイド…

2018/4/4

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武道館 (文春文庫 あ 68-2) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

🐾Yoko Omoto🐾

古くはピンクレディーから、私はアイドルが歌って踊る姿を見るのが好きだ。全盛期はほんの一瞬だが、その刹那的な輝きを憧れとともに見るのがきっと好きなのだと思う。物語は、徐々にブレイクに近づいていくアイドルグループの中の一人の目線で進行し、ファンの期待と本当の自分の解離に葛藤する思いが描かれる。確かにアイドルだから○○してはいけないなんてナンセンスだとも思うが、それを仕事とし対価を得ている以上、自分の商業的価値を考えるのがプロというものではないのかとも思う。幸せが別の場所にあると思うなら続けるべき世界ではない。

2020/04/04

rico

現実のアイドルグループを彷彿とさせる設定、武道館ライブという夢を追いかけ、迷い悩みながらそれぞれの道を選びとっていく少女たち。青春物語の王道だ。その一方、制服を模した衣装で歌い踊るアイドルたちの「旬」は10代後半の一時期。二十歳過ぎれば卒業が待っている。入れ替わりに次世代のセンターを狙う子たちが入ってくる。男性アイドルなら、少年から大人の男になるのを見守る楽しみもある。父親になる者もいる。何だろう、この差は。突き詰めるとジェンダー論になりそうだけど・・。朝井さん、今度は男性アイドルの物語、書いてください。

2018/04/30

NADIA

オーディションで選ばれたアイドルグループのメンバーの女子高生の視点で語られる物語。結成時に「満員の武道館でコンサートをする」と高らかに宣言したメンバーが卒業する場面からの始まりは、この先の波瀾万丈を暗示されているようでストーリーに一気に入り込める。アイドルとしての社会的な存在感、また本人の自覚・自己管理の厳しさは、普段アイドルに興味のない私にとってはとても新鮮で興味深かった。

2020/03/17

エドワード

女子高生として普通に暮らし、アイドルとして芸能活動する愛子の心模様。時に嫉妬し、ともに悩む、メンバーとの一体感、幼馴染みとの恋。心に焼きついた武道館。アイドルも歴史が長くなると、様式化する。歌にダンスにバラエティ、テレビにラジオに握手会。そこへ良くも悪くも、今はネット環境だ。音楽も動画も、何でも無料で手に入る。無料で手に入るものは簡単に捨てられる。かたや「歌って踊って、みんなから愛されたい!」と思う少女たちの心は変わらない。アイドルは二十歳まで?恋愛禁止?メンバーのガチな論争、冷めた感覚が今時、と感じる。

2019/01/09

優希

アイドルの裏話的な側面の話だと思いました。アイドルを取り巻く様々な禁句や現象が現代のアイドル像を作り出しているのですね。芸能界にいるために出会う心がよくわかります。

2019/06/09

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