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東京ディストピア日記

東京ディストピア日記

東京ディストピア日記

作家
桜庭一樹
出版社
河出書房新社
発売日
2021-04-24
ISBN
9784309029610
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「東京ディストピア日記」のおすすめレビュー

コロナ禍の一年を冷静に観察してきた小説家の日記。悪質なデマが流布した過去の悲劇から学ぶべきことは?

『東京ディストピア日記』(桜庭一樹/河出書房新社)

 桜庭一樹氏『東京ディストピア日記』(河出書房新社)は、東京で暮らす小説家がコロナ禍と向きあった日々を日記形式で綴った本だ。2020年1月からの1年間に起きたコロナ関連のニュースやデータを冷静な筆致でくまなく網羅し、かつ、著者の日常に起きた細かな変化を振り返っている。歴史には、正史(国家による歴史)と、稗史(庶民の日々の歴史)があるとされるが、その両者に等しく光を当てているのが本書の特質だろう。

 正史では為政者のコロナ対策の失政ぶりが淡々と記述される。帰省の自粛を求める地方自治体と、GoToキャンペーンを進める政府のちぐはぐさ。あるいは、飲食店などに営業の自粛や時間短縮を求めながら、金銭的な補償はしないという整合性のなさ。緊急事態宣言の発令と解除を繰り返す政府の一挙手一投足に振り回されたのは、著者だけではあるまい。

 一方、稗史はと言うと、桜庭氏がコロナ以前/以降で変わってしまったと思う風景に、敏感に反応し、日記に綴っている。桜庭氏が住むマンションのエレベーターでは住民同士、気軽に挨拶や雑談を交わ…

2021/6/9

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東京ディストピア日記 / 感想・レビュー

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starbro

桜庭 一樹は、新作中心に読んでいる作家です。ディストピア(コロナ禍の2020年)の出来事を淡々と綴った日記でした。まだ1年前の出来事ですが、少し昔のような感じがしました。まだまだ続いているのに・・・ https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309029610/

2021/06/03

うののささら

桜庭一樹のコロナの日記。出来事は文書に残しとかないとすぐ忘れられて、中国や朝日新聞に都合のいいように変えられてしまうので事実を書き残すのは大切なこと。もう忘れているがいろいろなことがあったな。未知のウィルス相手に良くやったと思う。今台湾がコロナ増えているの見ると結果的には止められなかったからクルーズ船や中国人どもが春節ウィルスを撒き散らしのも弱毒には結果オーライだったかな。本の内容はワイドショーのまとめみたいでした。

2021/06/22

みかん🍊

2020年1月から2021年1月までの東東京に住む著者のコロナ禍での日記が実際の出来事や感染者数等克明に書かれている、1年半前の事ながらあまりにも沢山の事があり変化して行く為まるでSFを読んでいる気分になる、自分は地方暮らしなので気を張って、どこかでもしや感染しているのではとビクつきながらもまだ普段と変わらず県内では閉店している所も少なく外出もしているので、東京の様子とはまた違っている、世の中には変わって行かねばいけない問題が沢山あり他に選択肢がなくなり変わるしかなくなるまで人間は変われないもんだった。

2021/07/28

どんぐり

2021年も残すところ3か月。くり返し発出される緊急事態宣言とコロナのことしか記憶に残らない日常。気づかぬうちに時間が経って終わりそうだ、「いったい政府は何しているんだ、どんどん私たちの時間が消えていく。まるであの灰色の男たちに時間を盗まれているみたい」という作家に共感する。本書は2020年1月26日に始まり2021年1月9日まで、現在も進行中のコロナによるディストピア日記。→

2021/09/20

なゆ

ああ、そうだったそうだった〜と振り返りながら読んだ。コロナが話題になりだしてからの、2020年1月から2021年年明けまでの桜庭さんの日記。その日の日本の状況とともに海外各国ではどんな感じかも簡単に書いてあって、桜庭さんの日常と何を思ったかなどなど。コロナ一年目の記録としても読みがいがあった。まさか、2年目もまだまだコロナに翻弄されてるなんて、この頃は思ってなかったなー。世の中がだんだん殺伐としてきたり、気づかないうちにストレスためてる記録。おじいちゃんマスターやバリスタのお姉さんとの会話にホッとする。

2021/12/29

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