こんがり、パン: おいしい文藝 (河出文庫)
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こんがり、パン: おいしい文藝 (河出文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
2人の選者が集めてきた40人の作家・エッセイストのパンにまつわるショートエッセイのアンソロジー。古くは獅子文六や草野新平、新しいところでは津村記久子や宮下奈都あたり。また吉本隆明、四方田犬彦、澁澤龍彦など意外にして癖の強い面々も。アプローチの仕方やパンに向かうスタンスは様々。一番多いのはサンドイッチだが、何人かは懐かしいロバのパンを回想していた。一つを選びにくいが、林望の「草の上の昼食」、開高健の「パンに涙の塩味」あたりが、私にはとりわけ印象的だった。
2024/01/10
佐島楓
ああ、寝る前に読まなくてよかった。朝食のことを延々と考えてしまいそうだ。ロバのパン屋さんのことに触れていらっしゃる作家さんが3人ほどいらしたが、母の話だと実在したらしい。見たかったし買い物してみたかったな。だって、ロバのパン屋さんですよ?
2023/08/15
ぶんこ
角田さん、群さんがホームベーカリーの事を書かれていて、室内にパンの焼けるいい匂いとあって、堪らずにメルカリ検索。また平松さんのパンの耳、私も大好きなので「わかるわかる」。多くの方が書かれていた給食での脱脂粉乳も、あの恐るべき不味さを思い出しました。山本一力さん、開高健さんの思い出には涙。子どもが飢えているのはいたたまれない。米原万里さんが少女時代に聴いた、白パンと水たまりの話が忘れられず、暫く水たまりを迂回して歩いたにも「わかるわかる」菓子パン、惣菜パンが大好きなので、外国では味わえないのは悲しい。
2023/12/14
吾亦紅
文章の名手たちによるパンにまつわるエッセイ集。幸せな記憶や郷愁は、パンの香りに包まれていて、何というかパンの香りというのは、本当に良いものだね、と思いながら少しずつ読み進めた。もっちりした天然酵母のパンもいいけれど、イーストの軽やかさも好き。しかし、開高健さんのエッセイは異形だった。そこに甘やかな記憶はない。がつんとした味だった。
2023/11/10
ちえり
パン好きとしては見逃せない1冊。なんですが、現在私は糖尿病治療中で炭水化物の塊は…くぅ〜💦😭😭😭です。新旧の作家さんがそれぞれパンにまつわる思い出など2〜3ページ、長くても10ページほどで綴られていて楽しかった、美味しそうで、涎が…涙が出そうです。あんぱんとサンドイッチの頻度が高かったかな、さすがにカヌレはなかったです。
2023/08/27
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