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残月記

残月記

残月記

作家
小田雅久仁
出版社
双葉社
発売日
2021-11-18
ISBN
9784575244649
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9年越しの圧倒的な1冊『残月記』小田雅久仁氏は、何を思って書き上げたのか?

ファンタジー作家としてのバカでかい想像力と、「文学」としか呼びようのない文章の濃度─。小田雅久仁が前著から9年超のインターバルを経て、待望の第3作『残月記』をついに刊行した。

(取材・文=吉田大助 撮影=首藤幹夫)

「その間も短編は書いていたんですが、『残月記』の最後の一編を書いていた時に体調を崩してしまい、しばらく療養していたんです。ようやく出せた新しい本なので、たくさんの人に読んでもらいたいですね。そもそも企画の始まりから、”たくさんの人に”という思いはあったんです」  第21回日本ファンタジーノベル大賞受賞のデビュー作『増大派に告ぐ』は、現代社会の闇をファンタジーに変換した群像長編。第3回Twitter文学賞国内編第1位を獲得した第2作『本にだって雄と雌があります』は、本も結婚するし出産もする……というケッタイな想像力が爆発していた。本書には、月を共通モチーフに据えた全3編が収録されている。誰もが想像力を掻き立てられる、キャッチーな題材だ。 「1作目の内容が暗すぎて売れなかったので、2作目でガラッと明るめに変えてみたら、もともと明るい人間では…

2021/12/6

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残月記 / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

表題作を含めて3つの作品を収録。「残月記」はその中では一番長く、表題にも取られているのだが冗長に過ぎるか。月のシーンは美しいが、物語の中核を背負うアイディアがローマの剣闘士では不十分だったのだろう。また、マイノリティに対して差別的であるととられかねない危険も孕んでいる。小田雅久仁は初読ということもあって、むしろ巻頭の「そして月がふりかえる」の方に魅力を感じた。安部公房の小説を通俗化し、エンターテインメント小説に仕立てたといった風情である。世界の変貌に立ちあってしまった高志の戸惑いは説得性もあるのだが⇒

2024/01/24

ろくせい@やまもとかねよし

パラレルワールドSFの3短編。内容は思考、社会、自然にわたりとても豊かで、多様な想いを喚起する素晴らしい作品。描かれる意識の二面性、幻想と現実に惹かれた。それらの全く異なる描写感も見事。幻想は共有を前提にしていない自由なもの。現実は事実を同じ現象と理解する前提で、言葉で媒介。しかし言葉は危うい。説明を尽くしても幻想の一部に飲み込まれる。ユニークな題材も。「そして月ー」は、見た目や発言や感覚がほぼ同じ人間の差異。「月景石」は、社会のためと正義が装う暴力。「残月記」は、社会から理不尽に差別される人たちの愛。

2022/04/08

starbro

2022年本屋大賞にノミネートされたので読みました(図書館では間に合わなそうなので急遽ヤフオク対応)。ノミネート作品10/10漸くコンプリート、小田 雅久仁、初読です。タイトルが似ていることから「山月記」に近いノリだと思っていたら、全然違いました。月をテーマとした中短編集、不思議な世界観なので一般受けはしないですが、私は楽しめました。 本屋大賞の予想は、ステイです。 https://bookmeter.com/communities/337840/topics/21213/comments/1966318

2022/03/17

青乃108号

【そして月がふりかえる】大学の映研が撮っていそうな物語。少しくどい。もっと短くした方が良い。【月景石】あまり良くない。1日経ったら憶えていない程印象に残らない。【残月記】長い。面白い部分もあるのに残念ながら気が遠くなる程退屈な部分の方が多い。その気が遠くなる程退屈な部分がどうしてもこの作品には必要だったのは嫌というぐらいに実感できる。この作品は短編には出来ないというか出来るかも知れんがしかし短編ではこの何とも言えない味わいは出せないだろう。

2022/12/27

まちゃ

月を題材にしたダークな3編を収録。楽しめましたが、宣伝ほど引きこまれませんでした。「そして月がふりかえる」と「月景石」は、ダークファンタジー風で好みでしたが、良いところで終わってしまった印象。表題作「残月記」は、ハンセン病を想起させる「月昂」という感染症への差別や隔離政策に抗った男の悲哀

2022/04/24

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