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アウトテイクス:小熊英二論文集

アウトテイクス:小熊英二論文集

アウトテイクス:小熊英二論文集

作家
小熊英二
出版社
慶應義塾大学出版会
発売日
2015-06-23
ISBN
9784766422399
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アウトテイクス:小熊英二論文集 / 感想・レビュー

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さえきかずひこ

1997年から2011年までに発表された短い論文12篇をまとめたもの。とにかく読みやすい。そして註の付け方が丁寧。白眉はデマゴーグとしての清水幾太郎についての論文だろう。何と言っても笑いながら読める論文は愉しい。また他の小熊本にも触れてみようと思う。

2017/07/11

田中峰和

映画など最終版で使用しなかった素材をアウトテイクスという。この本は戦前、戦後の知識人を論じた未出版の内容だ。丸山眞男と清水幾太郎を論じた部分が面白い。ジャーナリスト志望だった丸山はリベラルな研究室の空気を満喫したあと、徴兵され苦渋をなめ、戦後は知識人のリーダーとなるが、全共闘世代に非難される。清水は対照的に東大で社会学を学んだあと、フリーの物書きになった。全学連主流派を支持し、反米ナショナリズムを唱え、その変節ぶりに知識人から反感と憧れをもたれる。小熊は今後、人物を特定した論文は書かないという。残念だ。

2015/10/03

つまみ食い

『インド日記』や『民主と愛国』『1968』などの大著のボーナストラック的な論文集。しかも民俗学から政治学、文学などジャンルが多岐に渡っている(まさに録音時期も異なり音楽性も大いに異なるデモ音源が集められたビートルズのアンソロジーのように)ため、読者それぞれの興味に応じてつまみ読みも可能になっている。そのようにいい意味でまとまりを欠いたものとして捉えても楽しいが、一貫したものとして明治から戦後にいたる日本の一種のインテレクチュアルヒストリーと捉えることもできる

2021/01/26

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