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内田樹

職業・肩書き
作家
ふりがな
うちだ・たつる

プロフィール

最終更新 : 2018-06-08

1950年東京都生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学大学院博士課程中退。武道家。神戸女学院大学名誉教授。専門はフランス現代思想、映画論、武道論。多田塾甲南合気会師範。著書に『ためらいの倫理学』『「おじさん」的思考』『先生はえらい』『昭和のエートス』『呪いの時代』『街場の憂国論』など多数。『私家版・ユダヤ文化論』で第6回小林秀雄賞、『日本辺境論』で新書大賞2010受賞。第3回伊丹十三賞受賞。

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結婚するのは何のため? 他人とうまく暮らすには? 結婚生活の不安を解消するQ&A

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『困難な結婚』

 『困難な結婚』(アルテスパブリッシング)――というと、「やっぱり結婚生活は大変。内容は、きっと非婚(結婚しない生き方を選ぶこと)のススメじゃないか?!」――と思っていると、とんでもない勘違い。  もともとはある編集者が企画したインタビューが原型になっており、その編集者が自分の結婚のときに「引き出物」として出したいということで、お祝い代わりに著者がインタビューに応じたものの、その結婚が破談となったため、しばらく宙に浮いていた原稿を基にしたものであるという。時間の経過から、かなり加筆し、「困難な結婚」のしのぎ方に力点がおかれ、回答がまったく変わってしまったものもあるそうだが、基本は「Q&A」の形をとっている。質問自体はオリジナルのままで、若い人の「結婚不安」である。

 結婚する前の人たちが読めば「結婚したくなる」。すでに結婚している人たちが読めば「結婚生活が気楽になる」――これが目的だと、著者は言う。この本は、「非婚」というより、一貫して「結婚はこんなふうにいろいろたいへんだけれど、それが『ふつう』だからあまり気にすることはないで…

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オリンピック問題、安保法制、責任転嫁、隠蔽体質……止まらない日本の劣化 敗戦し続ける国の戦後70年とは?

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『日本戦後史論』(内田樹、白井聡/徳間書店)

 戦後70年の日本、今のこの国には奇妙な空気が漂っている。民意と乖離した国政、責任のバトンリレーが続く新国立競技場問題、貧民を生み出す景気対策。収まらない原発事故に目隠しをして、別の原発が再稼働する。マスコミにケンカを売ったはずの首相がテレビを梯子して自己正当性を訴え続ける姿に怒りを越えて悲しさを感じるが、原発の危険よりも収入を優先する地元民や電気代高騰に不満を漏らす国民側にも多分に問題はある。

 東日本大震災を境に露見し始めた日本という国の弱さと脆さと愚かさと。ときどき光る優しさに見とれ、忘れそうになるが、この国が破滅へ加速しているような不安が拭えない。

 今、この国で起きている問題の根っこにあるものは何なのか? 「戦後」を見つめ直すことで浮かび上がる日本という国の姿を、内田樹氏と白井聡氏が徹底討論したのが『日本戦後史論』(徳間書店)である。

 2人が対談で触れる話題は多岐に渡り、ともすれば過激な発言にも思える部分があって、その是非は読者に一任したいが、白井氏の唱える「永続敗戦レジーム」と内田氏の「のれん…

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戦後日本の社会構造はこうなっていた! 内田樹×白井聡による極論疾風怒濤の対談集

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『日本戦後史論』(内田樹、白井聡/徳間書店)

 その昔、「戦争を知らない子供たち」というなんとも牧歌的なフォークソングがあって、桂三枝(現文枝)がやっていた深夜放送の特別番組を見に夜中にTBSホールに駆けつけ、フォークバンド・ジローズのこの曲を生で聴いたことのある不埒な中学生だった私だがそれはさておき、戦争と対峙する形での平和の歌を歌った当時にくらべて、下手すると日本はアメリカと一緒にドイツと戦った、と思い込んでいる人が出てきてもおかしくない、今の平和はどんなふうに口ずさまれるのだろうか。と疑心暗鬼にとりつかれている諸氏には本書『日本戦後史論』(徳間書店)である。

 哲学研究の幅を大きく超えて各界で八面六臂の活躍をみせる内田樹氏と、『永続敗戦論 戦後日本の核心』(太田出版)で話題を呼んだ政治学者・白井聡氏との、刺激的な対談集である。何が刺激的かって極論の疾風怒濤なのだ。いや、悪い意味じゃなくて。

 たとえば、「日本はアメリカの属国である」。とか。内田氏によれば、属国に甘んじていないで日本は早くアメリカの51番目の州になればいいのに、なんて言う。すごい…

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お金儲けをしてモノがあふれてもちっとも幸福を感じられない理由―内田樹インタビュー

お金儲けをしてモノがあふれてもちっとも幸福を感じられない理由―内田樹インタビュー

 家族、地域、さらには国民国家。共同体がどんどん壊されている。市場主義経済が共同体を破壊していくのだ。  そのトレンドが究極のところまで来てしまった、と内田樹さんは話す。

内田 樹 うちだ・たつる●1950年東京都生まれ。日本で最も忙しい武道家にして思想家、フランス文学者。東京大学文学部卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。神戸女学院大学名誉教授。著書は多く、ほぼ月刊内田樹状態であるにもかかわらず、合気道の道場、凱風館館長として150人の門弟の指導にあたる。  

「資本主義はその本性からして共同体を解体してしまう。これまでそれを指摘する人はあまりいませんでした。さすがに昨今、グローバリズムによって国民国家が解体されると意識されはじめているけれども。TPPなんか典型的ですね。自由貿易になってきて、世界中で通貨も共有、言語も共有、度量衡も共有というフラット化が進行していくなかで、資本主義は本性として境界線を嫌うのだと実感されるようになりました」  ところが事態は国家間だけではすまなかった。国内でも同じことがすすんでいた。国境が溶けるように…

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「この時代を生き抜くには」内田 樹×名越康文×橋口いくよ 勝手に開催!国づくり緊急サミット

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思想家・内田樹、精神科医・名越康文、小説家・橋口いくよの三氏が語り合うダ・ヴィンチ本誌人気連載「勝手に開催! 国づくり緊急サミット」。この連載をまとめた書籍化第3弾『本当の仕事の作法』が、いよいよ3月6日(金)に発売されます! そこで、単行本未収録の特別鼎談を、本誌とダ・ヴィンチニュースだけに特別公開いたします!!

文=橋口いくよ 写真=川口宗道

橋口 「若い子たちに蔓延しているのが、反知性主義」というお話を、前回の最後で内田先生からうかがって、実は、いまだに動揺しています。

名越 僕たちぐらいの世代からじわりじわりと始まってきたことですね。今はそれがもっと深刻なことになってきてしまった。

内田 このあいだ授業で「アルベール・カミュの話をしますから、とりあえず『異邦人』だけでも読んできてね。新潮文庫で、日本中のほとんどの本屋で売ってるから。薄い本だし、2時間ぐらいで読めると思います」って言ったの。で、次の授業の冒頭で「『異邦人』読んできた人いますか? 手を挙げてみて」って訊いたら、一人もいないの。それで火が点いちゃって、それから50分間、口から炎を噴…

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注目の新刊 『内田樹による内田樹』 ダ・ヴィンチ2013年12月号

注目の新刊 『内田樹による内田樹』 ダ・ヴィンチ2013年12月号

『ためらいの倫理学』『先生はえらい』『街場のアメリカ論』『日本辺境論』——。内田樹はなぜこれらの本を書いたのか? 11作の著書・翻訳書を著者自身が徹底解説。ブックガイドとしてはもちろん、執筆活動の内側を垣間見ることができる読み物にも仕上がっている。

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注目の新刊 『能はこんなに面白い!』 ダ・ヴィンチ2013年11月号

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武道家・思想家として今もっとも注目される内田樹が、観阿弥・世阿弥の直系にして最大流派である能楽観世流の二十六世宗家・観世清和との対話を通じ、能の魅力を広くわかりやすく伝える。目からウロコの指摘がいっぱい、これまでなかった能楽入門。

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内田樹×名越康文×橋口いくよ 新刊刊行記念トークイベント開催

内田樹×名越康文×橋口いくよ 新刊刊行記念トークイベント開催

 内田樹×名越康文×橋口いくよの新刊、『価値観再生道場 本当の大人の作法』の刊行を記念して、2013年4月11日(木)に兵庫県・西宮市のジュンク堂書店西宮店でトークイベントが開催される。

 上から目線、揚げ足とり、バッシング――さまざまな「言葉」が氾濫するソーシャルメディア時代、人と人が本当につながるために必要な大人の知的作法とは? 「言葉」の攻撃性に振り回されず、自分の「物語」を獲得する方法を、思想家・武道家の内田樹、精神科医の名越康文、作家の橋口いくよが語りあう。雑誌『ダ・ヴィンチ』連載「価値観再生道場 これなんぼや?」の書籍化題2弾。

 イベントは2部構成になっており、第1部では「サイン本受け渡し&握手会」が、第2部では「トークイベント」が開催される。  3月19日(火)より、ジュンク堂書店西宮店メインカウンターにて「サイン本引換券付きトークイベント入場券」が1260円にて販売される。定員は70名で、先着40名以降は立ち見となってしまうので、参加希望の方は早めに入場券を手に入れてほしい。

●イベント概要 『価値観再生道場 本当の大人の作法』発売…

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