姜尚中の「容姿の悩み」「愛憎と憎しみ」に関する直球メッセージが沁みる!
『君に伝えたいこと 15歳の人生レッスン』(姜尚中/自由国民社)
落ち着いた知的な語り口調で、『朝まで生テレビ』をはじめ、メディア露出も多い姜尚中氏。自らの生い立ちにも関わる在日問題や、日本とアジア(特に韓国)との関係についての発言がまず頭に浮かぶ、「硬派な政治学者」のイメージが強いが、その最新作『君に伝えたいこと 15歳の人生レッスン』(自由国民社)は副題にもあるように、なんと、中学から高校への過渡期にある、いわゆるヤングアダルト世代に向けての「生き方指南書」だ。あの姜尚中氏が思春期世代に向けて一体何を語るのだろう?
まず感じるのは圧倒的な読みやすさだ。対象が中高生、それも多分、普段あまり本を読んでいないような子供たちを対象にしているせいか、字は大きいし、語り口調そのままのような文体で、すらすら読めてしまう。内容は、というと、これがなかなか深いのだ。確かに始まりは思春期によくある悩み、例えば「自己意識」の芽生えによる周囲とのいざこざや、「自己愛」と「自己否定感」のせめぎ合いによるイライラについて、異性との関係や失恋など、大人が読むとちょっと懐…