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宗教右派とフェミニズム

宗教右派とフェミニズム

宗教右派とフェミニズム

作家
ポリタスTV
山口 智美
斉藤 正美
津田大介
出版社
青弓社
発売日
2023-08-18
ISBN
9784787235251
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「宗教右派とフェミニズム」のおすすめレビュー

「子どもを自宅に留守番させて外出すること」は虐待?研究者2人が、現代の社会問題を「親学」からひもとく『宗教右派とフェミニズム』

『宗教右派とフェミニズム』(山口智美、斉藤正美、津田大介/青弓社)

「子どもを自宅に留守番させて外出すること」「子どもだけで公園で遊ぶこと」などを虐待にあたるとし、大きな波紋を呼んだ埼玉県の虐待禁止条例改正案。反対意見が相次ぎ採決直前に撤回になったが、この改正案に対しては、

「共働きやひとり親家庭の実情が考慮されていないのではないか」 「こうした条例改正を行う以前に、子育て家庭への支援を強化すべきなのではないか」 「なぜ埼玉県の自民党議員団からこのような条例改正案が出されたのか」

 といった憤りや疑問を感じた人も多いだろう。そして、この問題の背景を読み解く上で有用な書籍として改めて話題になったのが、2023年8月に刊行した書籍『宗教右派とフェミニズム』(山口智美、斉藤正美/青弓社)だ。

 本書は、「ジェンダー」「セクシュアリティ」「家族」などをめぐる政治と、宗教右派(保守的思想に基づいて政治活動を行う宗教団体)との関連をまとめた内容。刊行のきっかけは、2022年7月8日に発生した安倍晋三元首相の銃撃事件と、その後の旧統一教会に関する報道の過熱だ。

 銃撃…

2023/11/20

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宗教右派とフェミニズム / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

パトラッシュ

米共和党が同性愛やジェンダーフリーに反対する宗教団体と親和的なのは有名だが、日本でも深く政治に食い込んでいたとは。特に第二次安倍政権期には、旧統一教会と神道系政治団体が「家族を守る」を掲げて教育現場に浸透したプロセスを国民の大多数が知らなかった。リベラル派の失敗を衝き、自分たちこそ正義とのイメージを国民に浸透させた宣伝力は見事といえる。おかげで性別二元論に囚われたフェミニズムは動揺し、宗教右派の主張を女性が支持するのも珍しくなくなった。安倍暗殺事件を契機に、リベラルへの逆バックラッシュの可能性はないのか。

2024/01/13

しんすけ

安倍晋三が殺されて明らかになったのは、自民党が「統一教会」や「生長の家」などの右翼と一心同体だったことだった。それも自民党議員たちの中枢を占めていることに愕然とさせられた。日本が女性蔑視の国と海外から言われても、これでは返す言葉もない。肝心の自民党員たちは屁の河童だろうけど… 彼らには日本をよくするよりも、裏金を積み重ねることのほうが大事なことに違いない。だから未だに家の因習に捕らわれて、夫婦別姓の運動も妨害する妄動を止めもしない。

2024/03/07

スイ

タイトルの宗教右派よりも自民党が中心だったが、ズブズブですもんねえ。 この20年ほど、自分たちに都合の良いあり方の女性や家族にしようと自民党と宗教右派がやってきたことが流れでよくわかる。 帰れ帰れ。 この令和に、そんなものもうお呼びじゃないのよ。

2024/02/27

二人娘の父

エトセトラブックス・トークイベントも視聴し、著者らの問題意識をより鮮明に把握することができた。本書そのものは資料的な意味合いも大きく、著者らが持つ「熱」の部分は意図的に抑えられているように思う。端的には「あとがき」が重要。右派が一貫して拘ってきた「ジェンダーフリー」というキーワードに、フェミニズムの側が意識せずに引っ張られており、その結果、現在の焦点である「トランスヘイト」に有効な抵抗がしきれていないという、忸怩たる思いが伝わってくる。さらに「慰安婦」問題への「リベラル」の鈍感さにも貴重な言及がある。

2023/10/13

吃逆堂

急ごしらえな事実の羅列という印象を読み始めた当初には抱いたが、個々に知っている事実でもここまで厚く積み重ねられると大きな説得力を帯び、現実のおぞましさに目眩がするよう。本書でも述べられているとおり、事態はなんら改善も好転もしていないが、本書がせめてその楔となることを願ってやまない。

2024/03/04

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