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ザ・キンクス(1) (ワイドKC)

ザ・キンクス(1) (ワイドKC)

ザ・キンクス(1) (ワイドKC)

作家
榎本俊二
出版社
講談社
発売日
2024-02-14
ISBN
9784065345849
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「ザ・キンクス(1) (ワイドKC)」のおすすめレビュー

漫画家・榎本俊二 フロンティアスピリット溢れる新作『ザ・キンクス』。突飛な表現のなかにも「家族の絆」を感じる傑作のたのしみかた

『ザ・キンクス』(榎本俊二/講談社)

 これまで30年以上にわたりシュールや不条理、ときにはエロ・グロなども内包するギャグマンガを追求し続けてきた漫画家・榎本俊二さんによる『ザ・キンクス』は、錦久(きんく)家の日常を描いた漫画だ。長年つちかってきた技術と経験を「家族」という型にこれでもかと詰めこんでおり、いっけん普通のようでいて、予測の範疇にちっともとどまってくれない意欲あふれる作品になっている。

『ザ・キンクス』は父、母、姉、弟の4人に、祖父と祖母も加えた6人の家族全員が主人公。異世界にも行かないし、ネコ型ロボットが未来から来ることもない。それにもかかわらず、錦久家の普通の日常は、いつのまにか普通ではなくなってしまうのだ。

 例えば、親と生徒と先生による三者面談はどこの学校でも行われているだろう。普段はあまり行事に出向かない母親が「心の準備がいるから……」と面談に出ることをイヤがることもままある話だ。しかしいざ面談に向かうときには父親が加わり、たまたま祖父と祖母にも出会ってしまい、結局「六者面談」になってしまうのはちっとも普通ではない。誰の面談だかわ…

2024/3/2

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ザ・キンクス(1) (ワイドKC) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

田氏

面白くて凄いマンガであるのに、「何が」なのかをこれほど言語化できないマンガを、他に知らない。よって以下、何のレコメンドにもならないことをご承知おきいただきたい。強いてヒントになりそうな情報を挙げるなら、作者と懇意にあるらしい作家に、岸本佐知子、小山田浩子、本谷有希子などの名が挙がることくらいである。とにかく、このマンガは、なにも逸脱することなく、なにかを逸脱している。過去作が常に何らかを逸脱してきた作家であるという事実を抜きにしてもなお。従来の作風から下品を排した、ゆえにかえって誰に薦めるべきか悩む作品。

2024/02/19

今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン

キンクスって言うからレイ・デイヴィスのキンクスだって思うだろ!その気配を感じさせるのは唯一「クリッシー先輩」ってとこか。オールアナログの作画だそうで、デジタルでは得られないバイブレーションがありますよ(熱く語る)。「踊る見開き、奏でるコマ割り、唄う描線、弾けるアングル、陶酔のアンサンブル。」、デジタルには飽きるんだな。ヒロトが「CDでは泣けないけどレコードでは泣ける」っての、そのまんまです。

2024/02/16

阿部義彦

本日発売です。過去にハマっていた大好きな前衛ギャグ漫画家の榎本俊二さんの新作と聞いて、つい買ってしまた。ご家族漫画と伺いあの傑作『えの素』みたいんかなー?と思ったら、今回はうんこもゲロも無し。やる気の無いパンクな母とネジの曲った小説家の父、その息子娘、4人家族による、今までに見た事の無い、当たり前過ぎない不条理に溢れた構成の、中毒性のある漫画です。 統合失調症の言葉のサラダを思い出したり、ゲシュタルト崩壊による認知の歪み、天才による新境地だと思います。絵柄がいい具合にやさぐれて尖って来てます。

2024/02/14

コリエル

榎本作品らしいエキセントリックな部分を示しつつも、家庭や子育て義両親あたりの描写が従来作品よりもリアリティレベル高めで、それだけ作者も年輪を重ねてきたんだなあと。ほんのりと子供視点が捉える夜の異界化を描いた闇夜のアウル回がおすすめ。

2024/02/15

hibimoriSitaro

ReaderStore。榎本初の日常マンガだそうである。そ・そうだな。最後の2話はなんで順序が逆なんだろう。でもそこがいい。

2024/03/27

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