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しるしなきもの

しるしなきもの

しるしなきもの

作家
真藤順丈
出版社
幻冬舎
発売日
2015-01-28
ISBN
9784344027107
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しるしなきもの / 感想・レビュー

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Bugsy Malone

妾腹の子桂介は捨てられた母を思い、父でもあるヤクザ組織では神話とも呼ばれる王を殺し血を絶やすことを決める。著者はバイオレンスと圧倒的なリアル感を持って反吐が出る様なヤクザ社会を描き出す。そこに戦いを挑む、設定からして尋常では無い異端の主人公さえも諸手を挙げられるヒーローでは無い。しかし、何なのだろう、読了後のこの身に迫ってくる切なさは 、優しさは。『墓頭』の時に感じた著者の素晴らしい感性は、この作品でも遺憾無く著されていた。

2017/09/12

ナミのママ

日本一のヤクザ。その愛人の息子は、母の死をきっかけに組に入る。父を殺すため。…いやいや、いくらヤクザものとはいえ、殺し過ぎでしょ!って思いながら、この独特な世界観にはまりました。バンバン殺す、都内でのありえないドンパチ、海外移動、銃のオンパレード。スピード感あるバイオレンスと並行して、主人公の「ぼく」と「わたし」の対話と展開。残虐でグロい場面も多々あるので、好みがわかれるのかと思いますが。この作家さん、初読みでした。他も読んでみたいです。

2015/05/27

翔亀

【物語11】「パピルス」連載が2011年なので比較的初期の作品。日本最大の暴力団の世界を真正面から描いたヤクザもの。主人公=組長の庶子を生物学的な真正半陰陽(男として育てられたが男でも女でもない)に設定し、ヤクザの男社会の純血主義を裏返すという意気込みは分かるけど、これは失敗作だな。失敗の原因は、主人公の設定以外はヤクザの世界そのものを描いてしまったということにあるだろう。当然、ヤクザの世界という仮構は、日本社会を反映するネガということで、ヤクザの世界を描くことで日本社会に隠された問題点を浮かび上がら↓

2021/10/04

ren5000

なんともハードな作品でした。妾腹の組長の息子が母の死をきっかけに父である親分を抹殺することにする話なんだけど、いやもう殺しまくりだし組員はめちゃくちゃだしそれを率いる組長はぶっ飛んでるし(笑)ここまで書いてみるとはちゃめちゃなんだけど、なぜか読む手が止まらない不思議な小説でした。賛否両論が分かれる話だけど私は面白かった。

2015/08/05

かわちゃん

☆☆☆☆☆ さすが真藤さんと納得の極道神話的バイオレンス小説。今回も半陰陽という、真藤さんらしい異端の主人公を中心に置き、日本最大の極道一家の血の歴史の行方を追う。圧倒的なスピード感に、暴力と血に満ちたある家族たちの物語を乗せながら、自己や世界も内省的に描き、ひきこまれました。好き嫌いははっきりしそうな本ですが、自分はやっぱり好きですねえ。バイオレンス小説なのに、不思議とハリウッド映画を見ているような、エンターテイメント性を感じるのです。

2017/08/11

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