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余った傘はありません (幻冬舎文庫)

余った傘はありません (幻冬舎文庫)

余った傘はありません (幻冬舎文庫)

作家
鳥居みゆき
出版社
幻冬舎
発売日
2015-02-10
ISBN
9784344423107
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余った傘はありません (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー

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小梅

いやいや、面白かったです。書店で見つけてジャケ買いした本でした。短編の集りなんだけど4篇読んだところで「あれ?」その後は止まりませんでした。最後、穂村弘さんの解説を読み大きくうなずきました。そして、すぐ読み返してしまいました。鳥居みゆき作品は初読みでしたが、他の作品も読んでみたいと思いました。

2015/07/02

かりさ

前作の『夜にはずっと深い夜を』が素晴らしく、引き続き今作も楽しみに読みました。人間の闇の深さやただならぬ狂気に満ちた世界は今作もとてつもなく凄みがあり、さらには計算し尽くされた仕掛けに唸りました。短編ひとつひとつの世界が奇妙な上、どこかしらの世界の入口と繋がっているとなると、さらに思考は翻弄され今いる場所がいつの間にか見知らぬ場所へと連れられてぽかんとなる状態。この構成と物語の根底にある孤独は文学としてこれからもっと広い世界を見せてくれるのでないかしら。「←ラブレター」おお!となり、「道化」沁みました。

2016/04/09

HANA

前作の散文詩的な雰囲気は影を潜め完全に小説になっているんだけど、引き出しの多さがただ事じゃない。各短編が繋がり一つの世界を形作っているんだけど、ホラーにいい話、不条理に芸人小説にパロディと一つとして同じ形式のものが無い。ふと気になる一文が見つかるのも前作通りだし。ホラー好きとしては「うちのハンバグー」が著者のTVで出来ないコントを連想させて好きなんだけど、「チェックメイト」「道化」といった芸人小説も気になる。特に前者、にやにやしながら読み進めました。著者にはこれからも新しい小説を書き続けてもらいたいなあ。

2016/03/21

dr2006

奇才-鳥居みゆき。この奇才を構成する「作家」という一面に触れ、以前にも増して彼女が好きになった(好)。特に命を匂わすセンテンスに精彩を放ち、ミスリードを誘うようなはぐらかしや不意打ちは時に笑えて、芸人たる生業を汲んでのことか。250頁に19章という細分化によって、無関係に並べられた短編のように構成されているが、実は見事に連鎖した長編。後半に進むにつれてそれが如実だ。脳に残る記憶が覚める前に読み直したくなる。主題はよしえとときえの双子とその家族の物語。鳥居みゆきの魂胆を堪能した。

2017/08/20

初めて鳥居さんの作品を読んだが、予想を大きく上回った。私は鳥居さんのことを甘くみすぎていたようだ。こんなに引き出しのある方だとは思いもしなかった。様々な手法で書かれた短篇集。どこかいつも違和感があって、落ち着かない。少しずつ繋がっている世界。少しだけ世界とずれている人々。読めば読むほど、ハマってしまい、二度読んでしまった。もうね、その辺のホラー小説よりも読み応えがあって、単純に好みだ。暗い狂気というわけではなく、どことなく明るくて憎めない狂気。ぜひ他の作品も読まねば。

2015/04/14

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